閑話460・『飼い方をかんがえる』

「と言うわけでダークエルフを飼います」


「もう好きにしてェ、ってもエルフでしょう?」


青空の下で会議、湖畔の街は何時もの様に代わり映え無くさわやかな風が吹いている。


キョウは方向性が決まったのが嬉しいのか妙に無邪気だ。


邪気一杯。


「そう、小さいエルフを育てて中身を真っ黒なダークエルフにする」


「ダークエルフの意味がもうね」


「決定事項!」


「は、はいぃ、もう五月蠅いなァ、咄嗟に頷いちゃうよ」


「声量はパワーだぜ」


「はいはい」


「楽しみだなァ」


「湖畔の街で育てるんなら取り込むんだ」


「うん」


「そうすると一部になっちゃうよ?」


「いいぜ」


「え」


「何でもいいぜ」


「ペットにするから何でも良いぜ」


「あーもう」


「あはは」


「笑うんじゃないよォ、もう」


エルフを飼う為なら一部にする事も構わない、しかしそれだとペットでは無く自分自身だ。


それすらもわからなくなっている。


全てが曖昧になる。


可哀想。


「はぁ、小屋は建てたよォ」


「やったぜ!」


「でもそこら辺に家があるのに小屋っている?」


「あ」


ほぉら、何も考えていない。

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