閑話456・『重要視する場所』
エルフの選別作業に入りますとキョウが口にしたので『はいそうですか』と聞き流したら頭に手刀を打ち込まれた。
悪い事はしてないのに理不尽だ、キョウは目を輝かせてどんなエルフが良いかと尋ねて来る。
「私に聞かれてもねェ。キョウは?」
「ダークエルフ」
「ほほう、その理由は?」
「汚れが目立ちにくいから」
「ちょっと待ってねェ」
あまりに自然な流れであまりに恐ろしい事を口にするので一瞬思考が停止した。
え、エルフを飼うんだよね?生活品を買うんじゃないよね?
やっぱりぶっ壊れてるよォ。
「ダークエルフの子供、場所もとらないし」
「え、え、え」
「汚れも――――――」
「やっぱり待って………エルフを飼う話だよねェ」
「そうだぜ、エルフを飼う話だぜ」
「……汚れ云々、関係無くない?」
「?」
「キョウ……やっぱりエルフライダーだよ、エルフをエルフとして認識出来てない、下手したら餌以下」
「えぇぇ」
「いや、もうね、実用性重視じゃん、ペットなのに」
「……」
「汚れ云々は普通に駄目」
「………」
「み、見詰め無いでよォ」
「………」
つぶらな瞳と朱に染まった頬。
手を合わせて懇願している。
な、流されてしまう。
「じ、じゃあ、仕方無い……ダークエルフにしよう」
「やったぜー」
く、くそぉ。
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