閑話447・『エルフ災難がんば2』

「エルフの子供から育てたい」


「え」


「赤ちゃんは面倒だし、大人は俺より強かったら……怖いし」


「キョウより強いエルフって……」


俺の告白にキョウは目を瞬かせながら呆然とする、どうしたんだろう。


あまり難しい事を言ったつもりは無いぜ。


「小さい頃から育てれば懐くだろ?」


「どんな下位動物だと思ってるのォ、いや、大人になっても懐くよ、多分」


「いや、わかんないぞ」


「なにその無駄な自信は……」


「それに小さいエルフの方が可愛い」


「うちには可愛い小さいの沢山いるでしょうに」


「それは一部だろ?」


「う」


「一部とペットは違うぜ、当たり前だぜ」


どうしたんだろう?そんな当たり前な事を勘違いするだなんて。


一部は俺だぜ、俺自身だぜ。


「でも小さいのは世話が大変だよ」


「死んだらまた新しいの飼う」


「ああ、そこはドライで効率的なんだ」


「?」


「いや、悪い事では無いと思うよ」


「そうやって経験を重ねるのが大事だろ?」


次は死なせ無いようにってな。


作物や家畜を育てるのと同じ。


「そうやって死なないエルフにするんだぜ」


「まあ、失敗を無駄にしないのは良い事だよ」


そうだろ?


育てるのは得意だぜ。

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