閑話446・『エルフ災難がんば』

「エルフを子供から育てたい」


「え」


「赤ちゃんは面倒だし、大人は俺より強かったら……怖いし」


「キョウより強いエルフって……」


いないでしょうに、貴方は捕食者なんだから……しかし冷たく突き放すのは簡単だ、だけどそれが正解とは限ら無い。


頷きながらキョウの次の言葉を待つ、だってさ、小さいエルフを育てるのって面倒だよ、ある程度大きい方が世話も楽だ。


今すぐ言いたいけど我慢。


「小さい頃から育てれば懐くだろ?」


「どんな下位動物だと思ってるのォ、いや、大人になっても懐くよ、多分」


「いや、わかんないぞ」


「なにその無駄な自信は……」


「それに小さいエルフの方が可愛い」


「うちには可愛い小さいの沢山いるでしょうに」


「それは一部だろ?」


「う」


「一部とペットは違うぜ、当たり前だぜ」


ここに来て当たり前の事を叩きつけて来る、何も言い返せずに唇を噛む。


しかしエルフの子供ねェ、幼い時からゆっくり汚染するとどんな餌になるんだろう。


「でも小さいのは世話が大変だよ」


「死んだらまた新しいの飼う」


「ああ、そこはドライで効率的なんだ」


「?」


「いや、悪い事では無いと思うよ」


「そうやって経験を重ねるのが大事だろ?」


次は死なせ無いようにって?


エルフも災難だね……いや、幸運か?


「そうやって死なないエルフにするんだぜ」


「まあ、失敗を無駄にしないのは良い事だよ」


失敗で死ぬエルフは災難だね。


うん、やっぱり災難。

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