閑話444・『えさきめりゆう』
餌は決まったらしい、エルフにエルフを食べさせる、そこで今回の計画に少しだけ興味。
思いの外いいんじゃないかな?エルフがエルフを食べる事でエルフは餌だと肯定出来る、精神状態に良い影響。
しかもエルフを食べさせてエルフが成長するのを見てみたい、どんな壊れ方をするのか見てみたい。
「いいなぁ」
「ん?」
「いやいや、エルフの餌はァ?」
「エルフだぜ」
「ダークエルフの餌は?」
「エルフだぜ」
「ハイエルフの餌は?」
「エルフだぜ」
「人間の餌は?」
「エルフだぜ」
いい兆候じゃない?キョウは草花の絨毯の上を転がりながらご満悦、当面の悩みが解消されたので気が楽になったのだろう。
そう、自分を肯定出来る材料を得た事は喜ぶべき事だ。
んふふ。
「キョウ、良かったねェ」
「何がだぜ?」
「餌が決まって良かったねェ」
「おう」
「心配事が無くなって気が楽になったでしょう?」
「うん」
「まあ、餌代も必要無いしね」
「それだけじゃないぜ、家族は同じ食卓を囲むんだぜ」
「は?」
「ペットも家族だから同じモノを食うんだぜ、エルフっ」
「………」
「どうした?」
なにこの可愛い生き物、そーゆー事だったのね。
なんて優しい思考回路。
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