閑話442・『えさきまり』

思考停止状態のキョウを見るのが楽しくてついつい意地悪をしてしまう。


そうそう、餌はどうするのか真剣に考えて諦めてしまえ、狼が鹿が草を食うと理解出来るか?


理解出来てもそれを実感として理解出来るか?ベッドの隅で丸くなってるキョウを小突く、反応無し。


「キョウ?」


「えさ」


「キョウったら」


「えさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさ」


「こわい」


「えさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさ」


「えさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさ」


「えさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさ」


「えさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさ」


「えさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさ」


「う……声も可愛い」


やはり壊れているのは私も同じで嫌悪感よりも愛情が強まる、無表情でブツブツと呟く、延々と、長々と、粛々と。


「えさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさ」


「えさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさ」


「えさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさ」


「えさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさ」


「えさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさ」


「えさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさ」


「えさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさ」


「えさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさ」


「えさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさ」


「えさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさえさ」


「エルフでいいの?」


「えさは」


「決まった?」


「おれはえるふくうのすき、だからえるふにもえるふあげるの」


天使の笑みでそう答えた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る