閑話439・『盲目の可愛さ2』
頬を擦りながら愛する半身に告げる。
「叩かれた」
「そう」
「貴方のキクタはアタシだけでしょと言いながら笑顔で叩かれた後にキスされた」
「あいつ」
「キスされた」
「ロリエルフにキスされたぐらいで興奮しないのォ」
「だってキクタだぜ?」
「なにその理由の無い自信」
溜息を吐き出しながらキョウは笑う、白目の部分も全て闇に染まるような錯覚。
後の天使の笑顔。
「消毒しようよ」
ハンカチを取り出した瞬間に身構えてる、折角のご褒美の余韻を消そうとしている。
古びた床が軋む、緊張が緩和が訪れる瞬間を待って苛立っている、イライライラ。
やだぜ。
「しねぇぜ」
「しようよ」
「キクタのキスだぜ?小さい桃色の唇だぜ」
「あいつがキョウの為にどれだけエルフで人体実験したと思ってるのォ」
「そこも健気で可愛いだろ」
「可愛く無いでしょ」
俺の救う為にしたんだろ、なら可愛いだろ。
俺の為にする事は何でも可愛い、何でも全肯定。
全工程全肯定。
「エルフなのに同族を改造して餌にするだなんて、可愛いわけ無い」
「そうかなぁ」
「可愛く無いよ」
「んー、可愛いと思うぜ」
「どうして?」
「俺しか見えて無いもん」
おかしくないだろ。
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