閑話429・『きみねこだ2』

にゃあ、小屋が無い、小屋で飼うのに小屋が無い。


四肢を地面に預けて思案する、あれ、これじゃあ大工仕事も出来無い。


「うぅうううう」


「どうしたの?」


「にゃあ」


キョウが話し掛けて来たのでイライラを解消するために殺そうとする、しかし軽々と避けられてしまう。


そのまま岩に衝突しそうになり蹴り上げて回転しつつ着地。


にゃあ。


「にゃあ」


「す、凄いよォ」


「にゃあ」


「でもいきなり殺そうとするのは駄目」


「にゃあ」


小屋を建てたい。


小屋を建てたい。


小屋を建てろ、


お前が。


「にゃあにゃあ」


「その様子じゃあ無理」


「にゃ」


「え、私?」


指差す、俺が出来ないならお前がやれ。


お前は俺でしょう?


そうだろ?


「やだ」


「にゃあああああああああ」


「あぶなっ」


怒りのままに麒麟の力を開放して襲い掛かる。


しかしそれも軽々と避けて腕組みのまま薄く笑う。


「もう絶対に建てないからね!」


「にゃあああああああ」


にゃあああああああ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る