閑話428・『きみねこだ』

二足では無く四肢を得た獣に成り下がる、キョウは地面を叩いては首を傾げる。


あらら、処理落ちだよねェ、壊れてしまったキョウに小屋は建てれない、しかし心配なので見守る。


「うぅうううう」


「どうしたの?」


「にゃあ」


いきなり問答無用で飛び掛かって来る、殺意満々、軽々と避けて足払いをするが刹那に体勢を捻って避ける。


そのままコロコロと転がって岩に当たって面白いように跳ねる、くるくるくる、着地。


凄い。


「にゃあ」


「す、凄いよォ」


「にゃあ」


「でもいきなり殺そうとするのは駄目」


「にゃあ」


小屋を建てるんじゃ無かったのォ?鋭い目つきと愛らしい仕草に矛盾を覚えながら微笑みかける。


威嚇する事は無く、何度も地面を叩く。


小屋を建てたいのォ?


「にゃあにゃあ」


「その様子じゃあ無理」


「にゃ」


「え、私?」


指差される、お前が建てろと言っているのだろうが建てるつもりは無い。


エルフを飼うの反対だし。


うちにはキクタがいるでしょう。


「やだ」


「にゃあああああああああ」


「あぶなっ」


怒りのままに麒麟の力を開放して襲い掛かって来る。


刹那の判断、毛先が燃える。


こ、この子。


「もう絶対に建てないからね!」


「にゃあああああああ」


甘やかさないよ。

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