閑話423・『おなじさみしさ2』

「キョウって良い匂いするな」


「何が目的」


「えぇぇぇ、何もねぇよ」


「そ、そう」


抱き締めて匂いを嗅ぐ、抱き枕かつお香にもなるとか、素晴らしい生き物。


素晴らしい『おれたち』―――ふふ。


「良い匂い」


「う、うん、そうかな」


「美少女は匂いからして美少女」


「え、えぇぇ、言い過ぎだよォ」


「くんかくんか」


「きゃー」


もっと嗅がせろ、もっと恥ずかしがれ。


んー、俺もしたい、それしたい。


「俺の匂いも嗅いでー」


「え」


「………嫌か?」


「い、嫌じゃないけどキョウは嫌じゃない?」


「うん」


「くんくん」


形の良い鼻が動く、俺と違って嗅ぎ方も上品だ。


乙女め。


「どうだ?」


「……良い匂いだよ」


「えへへへ」


「お揃いなのか」


「俺とキョウは全部同じだろ」


ずっと同じだ、違うようになったら一緒に死のうな。


な?

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