閑話418・『にどしめ』

くすんくすん、落ち着いた、しかしくすんくすんと声がする。


擬音としてはやや心配になるソレ、効果音としては寝難いソレ。


キョウの抱き枕にされているけど前回の事があるので邪険には出来無い、そもそも邪険にするつもりは無い。


「くすんくすん」


「はいはい、とんとん」


「背中痒い」


「はいはい、ぽりぽり」


「ああん」


「い、色っぽい……落ち着いた?」


「俺は何時でも落ち着いてるぜ」


「そ、そうだね」


「?」


「良い子良い子」


「キョウも良い子良い子」


「ああん」


「色っぽいぜ」


頭を撫でられると自然に吐息がこぼれる、性的な快楽では無いのに不思議だ、少しだけ恥じらいがあるので咳をして誤魔化す。


自分自身を誤魔化せるわけ無いけど。


こほっ。


「風邪か?温くしてやる、むぎゅう」


「ぐえぇ」


「ごめん、間違って首絞めた」


「こほっこほっ」


「風邪か?」


「く、首を絞められたからですけどォ」


「………最初は絞めなかった」


「え、あ、え」


「あははははは」


「おかしい所無いよねェ?!」


まったく、可愛いんだから。

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