閑話414・『美味しいミカンと思ったら腐ってる2』

エルフを食べてると言ってもキョウはいちいち確認する、信用されていない、めんどいぜ。


そしてナンパして来た人間の男を路地裏に連れ込んで捕食した事がバレて叱られた、正座もさせられて。


そんな俺の心を表すように湖畔の街は大嵐、吹き荒れる風と大粒の雨と遥か彼方で聞こえる雷鳴。


「ご、ごめんって」


「つーん」


「うぅ、もう説教すら出来無い関係性に」


「グロリアは」


「ん?」


「グロリアは俺に説教しません」


「え、あ、はい」


「キクタも俺に説教しません」


「う、うん」


「俺の好きな人はキョウ以外は俺に説教しません」


「うぅ」


「つーん」


「だ、だって甘やかしてばかりじゃ」


「可愛いからいいじゃん」


「可愛くても性格悪くなったら最悪だよォ」


「グロリアもキョウも可愛くて性格悪いけど可愛いぜ」


「んぁ」


性格悪くて説教もするけどやっぱり愛しい半身なのだ。


しかしキョウは目をまん丸にしてこちらを見ている。


ん?


「え」


「可愛い、キョウだいしゅきー」


「え、え、え」


「やっぱり性格悪くても見た目だよなァ」


「え」


「性格悪いからなァ、キョウ」


俺はそこは似なかったな、うん。

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