閑話413・『美味しいミカンと思ったら腐ってる』

エルフを食べてると本人が言ってても目を離した隙に他の餌に浮気する。


体調を考えればあまり許せるはずも無く、ナンパして来た男を路地裏に連れ込んで捕食した事を咎めた。


久しぶりに本気で叱ったら湖畔の街の様子が大きく変わっている、大嵐、吹き荒れる風と大粒の雨と遥か彼方で聞こえる雷鳴。


「ご、ごめんって」


「つーん」


「うぅ、もう説教すら出来無い関係性に」


「グロリアは」


「ん?」


「グロリアは俺に説教しません」


「え、あ、はい」


「キクタも俺に説教しません」


「う、うん」


「俺の好きな人はキョウ以外は俺に説教しません」


「うぅ」


「つーん」


「だ、だって甘やかしてばかりじゃ」


「可愛いからいいじゃん」


「可愛くても性格悪くなったら最悪だよォ」


「グロリアもキョウも可愛くて性格悪いけど可愛いぜ」


「んぁ」


頬が赤に染まる感覚と同時にちょっと待てよと冷静な自分。


あのシスターと同じに扱われるのも性格悪いと認めるのも駄目じゃない?


え。


「え」


「可愛い、キョウだいしゅきー」


「え、え、え」


「やっぱり性格悪くても見た目だよなァ」


「え」


「性格悪いからなァ、キョウ」


え?

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