閑話396・『片付けしつつ美少女殴り2』

小屋が壊れた、小屋を壊した。


キョウの思考を読み取ると自分が行ったものなのかそうでないのか判断出来ていない。


可哀想に……私との境目が曖昧だから混乱している、壊れてしまっている、だから理性に従って掃除している。


壊れた機械のようだ。


「残骸だぜ、お掃除お掃除」


「あら、捨てちゃうんだ」


「ん?」


麻袋に残骸の破片を放り込んでいるキョウ、何をするわけでも無く腰の辺りで手を組んで問い掛ける、壊したのは私だし少しの罪悪感。


くふふ、うーそ、感じないよ?何もせずに欠伸を噛み殺す私をキョウが睨む。


手伝わないよォ。


「怖い怖い」


「ふんっ、景観を保つ為にしてるんだぜ」


「そーゆー美観を気にする感性があったんだねェ」


「あったんだぜ」


「意外だよォ」


「ふへへ、褒めて」


「褒めないよ」


「え」


「働けー働けー」


「うえええ」


「回収しろー」


「うぅ、殴りてぇ」


「ああん?」


「えい」


キョウに冗談で吐息を吐き出しながら睨み付ける。


すると即座に右腕がしなる、頬に震える感触、痛くは無い。


え。


え。


殴られた?


「くたばれ」


「こ、このォ」


嬉しい。

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