閑話394・『小屋壊生2』
小屋を壊した、キョウの小屋、
粉々に砕け散ったソレが在りし日の形を連想させる。
立ち尽くすキョウ、小高い丘の上で呆然としている、んふふ。
「あ」
「どうしたのかなァ」
「ここに、小屋が」
「それはもう残骸だよ」
「あああ」
私が壊しました、ここは私とキョウの世界なので餌臭いエルフなんていりません。
なので、丹念に壊しました。
餌は餌だよ。
「餌は餌」
「ち、ちがうもん」
「餌は餌、カマキリがバッタを飼う?」
「それは」
「触れようとしたら鎌でバッタを傷付けるだけ、触れられるわけが無い」
「おれは」
背後から抱き締める、ああ、この『バッタ』ちょろいよォ。
ちょろくて弱い。
「捕まえた」
「これ、だれがこわしたの」
「私ィ」
「ひどい、ひどい、ぐすん」
「酷いねェ、主人にこんなものを作らせるゴミエルフ達はホントにひどい」
「え、あ」
「そうでしょう、そうと言いなさい」
「そ、う?」
「ふふ、だからお腹一杯食べようねェ」
ねぇ。
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