閑話393・『鼻水鼻血2』

玩具は餌に成り下がったので―――成り上がったかな?


どちらが上なのかわからないけど玩具は無くても良いけど餌は無いと駄目、餌の方が上?


でも最初は餌で餌から玩具になって餌になって、知恵熱と同時に血の臭い、くさいなぁ、川に飛び込む。


「ぶくぶくぶくぶく」


『しっかり洗いなァ、しかし女の子のお風呂では無くて……獣の水浴びだねこりゃ』


「ぶるぶるぶる」


『錬金術で布を加工して体を拭きなァ』


「自然に乾くぜ、俺はポカポカだから」


『……それもそうか……って風邪を』


「バカだから大丈夫」


『バカでも風邪はひきます』


「え」


件の玩具のエルフは結局美味しく頂いた、目も声も歩く足すら失ってそれでも仕えたいと願っていた。


わからないなァ、俺に仕えても餌になって玩具になって餌になるだけなのに、川から上がる。


しゃむい、ああ、仕えるでは無く使うなら許す、使って壊して遊ぶ。


「へぷし」


『あら』


「へぷしへぷし」


『あらあら』


「へぷしへぷしへぷし」


『……くしゃみ』


「ぐしゅ、うん」


『言わんこっちゃ無い』


「じゅるる」


『鼻を啜らない、ちーんしな』


「ちーん、じゅびび」


ハンカチが鼻水塗れになったけど仕方無い、そのまま川に捨てる。


魚が寄って来る、ああ、俺の血もてもて。


「あ、鼻血」


『……あーもう』


ごめんね。

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