閑話392・『小屋壊生』

こやがこわれている。


いっしょうけんめいつくりました。


でもこわれてしまっている、なんのためのこや?


「あ」


「どうしたのかなァ」


「ここに、小屋が」


「それはもう残骸だよ」


「あああ」


でもその小屋でえるふを、えるふを、えるふをかいたかった?でもどうしてかいたかった、あんなえさごときを。


どうしてどうしてかいたかった、それはえるふが、エルフが俺を慕うから、あいつ等の事を知りたいと思った。


思った?


そうだっけ?


「餌は餌」


「ち、ちがうもん」


「餌は餌、カマキリがバッタを飼う?」


「それは」


「触れようとしたら鎌でバッタを傷付けるだけ、触れられるわけが無い」


「おれは」


キョウの腕が背後から俺に絡み付く、おれがばったできみがかまきり、あれ、そうだっけ。


ひゆじゃないんだっけ。


あれ、おれ、どうして。


「捕まえた」


「これ、だれがこわしたの」


「私ィ」


「ひどい、ひどい、ぐすん」


「酷いねェ、主人にこんなものを作らせるゴミエルフ達はホントにひどい」


「え、あ」


「そうでしょう、そうと言いなさい」


「そ、う?」


「ふふ、だからお腹一杯食べようねェ」


う、ん?

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