閑話390・『飼い殺しではなく飼う前殺し2』
痛めつけて声を奪って―――食いもしない。
このエルフは拾いものだ、キョウを虐める為の素敵な拾いモノ。
ふふっ、一人っきりで歩いていたから―――――エルフライダーに捕まる。
「困るぅ」
『おいおい、やめたげな」
「困るぅ」
『はぁ、可哀想でしょう、食べるなら食べる』
エルフの若者だ、声帯を切られて足首に切れ目を入れられてもう――遊び道具に成り果てた、良い子。
ふがふがふが、美形だったけどもう喋れないね、もうお人形だね。
もう、もうなんだね。
「ふふっ」
『もう殺してあげなさい』
「やぁだ」
『どうして?』
エルフを樹木に固定しながらクスクス笑う、このエルフを食べないのも無駄な手遊びを楽しんでいるのもお前をイライラさせる為ェ。
そうやって俺を注意して俺だけしか見ないキョウ好き、もっと俺を私が見て見て、見て、他のものはいらないでしょう。
エルフもいらない。
お前がいれば。
お腹が空けば。
やっぱりいる。
あれれ。
「キョウの言う事を聞きたくなぁい」
『んなぁ?!』
「それだけ」
『こ、この子はっ』
「それだけだもん、殺さない」
『っ、好きになさい』
「ふふ、あ」
『?』
「し、死んでる」
『ぷぷ』
エルフ死んじゃったじゃん。
もう玩具じゃなく餌じゃん。
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