閑話383・『天然小屋で』
犬小屋ことエルフ小屋に収納される俺、キョウが壊さなかったからなァ。
藁を敷き詰めたそこは中々に居心地が良い、丘の上を駆ける風が頬をくすぐる。
しかしエルフは動物だ、しかしも糞も無いが――――だけどこの小屋は少し違う様な気がする。
た、確かに獣小屋だけどもっ。
「違和感しかねーぜ」
「あはは」
「んだよ」
小屋の中を覗き込むキョウを威嚇する、甘ったるい声で陽気に笑うキョウを睨むと肩を揺らしてさらに大きく笑う。
「飼いキョウ」
「あん?」
「あはははははは」
「き、キョウにしてはお下品な笑い方だぜ」
「だ、だって、だって」
「?」
エルフを飼うにしても小屋の具合を確かめ無い事には――――それなのにキョウが腹を抱えて大笑い、一体なんなんだぜ?
子供のエルフを飼うか大人のエルフを飼うかどうしようか、まあ、この小屋なら子供のエルフで……俺でもやや狭いし。
小屋が完成してから飼うエルフのサイズを考えるだなんて本末転倒だぜ。
うーん。
「居心地は良い」
「ぷふ」
「な、何だよ」
「可愛いなぁーって」
「俺は何時だって可愛いぜ」
「天然な所も可愛いよォ」
「天然?」
「ド天然」
「?どてんねん」
意味がわからない、意味がわからないので小屋から顔を出す。
見上げる。
「天然?」
「天然だねェ」
なにが?
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