閑話378・『太もも小屋』

湖畔の街でとんてんかん、細工も施しとんてんかん、青空に音が響き渡る。


エルフ用の小屋、小さな……ロリエルフ用なので見た目は犬小屋のようだ、し、仕方無い。


汗を拭って立ち上がる、腰を叩いていると背後から視線、振り向くと顔面蒼白のキョウ。


元々白いなのにさらに白くなってまあ、消えちゃいそうだぜ。


「そ、それは」


「エルフ小屋」


「………えい」


「あぁ!?」


粗末な材料だけど丹精込めて製作した小屋がキョウの蹴りで粉々に砕け散る、爆音、太ももが見えたラッキー。


良い事と悪い事が同時に起こっていまいち反応出来無い、思考停止状態。


お、俺のエルフ小屋。


太もも。


「太ももっ」


「いや、それよりも小屋を惜しみなよ」


「こ、小屋が……俺の太ももが」


「本音が汚い」


「男の本音は何時だってこんな感じだぜっ」


「えいえい、念入りに壊しておくよ」


犬小屋サイズなので容易く壊れる、粉砕したソレをさらに踵で踏み潰すキョウ。


太ももが見える、悲しい。


俺のエルフ小屋。


俺の太もも。


もも。


「うぅうう、太もも」


「何を惜しんでるのォ、小屋でしょ?」


「触らせてくれ」


「ええい、うっとおしい」


蹴られる、足蹴にされるとまた太ももが見える。


ん?つまり小屋を作ればキョウの太もも見放題?


「学んだぜ」


「多分それ違う」

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