閑話374・『なおすなおす、素直に直す、なおすなおす』
しょんぼりしている、誰って俺がだぜ?
エルフを飼って観察しようと思ったらそのエルフは私の晩御飯と言われた。
そうか、そうだったぜ……あいつも、キョウもエルフライダーだもんなぁ。
失念してたぜ。
「飼いたい」
「食べたいと言いなさい」
「飼いたいっ!」
「うちには狐とウサギがいるでしょうに」
「どっちも肉親だぜっ?!」
うとうと、キョウの口調ははっきりしているが微睡んでいる、蕩けた瞳、絡み付く四肢。
抱き枕にされているのはこの状況で懐柔する為だぜ?言質さえ……蒸し暑いけど我慢する。
「食費が掛かるでしょうに」
「お、俺が用意する」
「ぷぷ、エルフが何を食べるか知ってるのォ」
「う」
「知識が無いのに飼っても可哀想なだけだよォ」
ここに来ての正論、どうしてエルフが俺を崇めるのか、そもそも餌は餌だけどどうして捕食者と『餌』の関係なのか。
食うのを我慢して生活すればそれが見えるかもと思ったのに、四肢は蛇のように絡み付く。
四つの鎌首を震わせて獲物を捕らえる。
「ばーか」
「うるせーぜ、知識なら祟木のが」
「ばーか」
「う」
「ばーかばーかばーか、ぷぷ」
「お、俺はバカじゃないもん」
「ごめんごめん、不貞腐れるキョウが可愛くて」
「ふん」
「餌は餌なのに固執して、変な病気にでもなっちゃった?」
「……」
「頭弄ろうか?」
直してあげる、治してあげる。
そう聞こえた。
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