閑話363・『長い足に太い精神2』

キョウに女性としての最低限のマナーを教えると言われて短く答える。


弓矢のように鋭く単純に。


「や」


「短いっ、短い返事だけどそれはまさか」


「や」


「だ、だから」


「マナーの練習するの『や』」


「くっ」


耳を指で掻きながらクスクス笑う、面倒な事は嫌だ、俺はこのままでモテモテだ。


モテモテでそんで食える、そいつ等を食える、他に何もいらない。


「や、やめなさい」


「けぷぅ」


キョウが容赦無く手刀を叩き込んで来る、容赦無い、残像が見える。


お前、俺は可愛いけどバカになったら余計モテるじゃねーか。


ん?


「このこのこのこの」


「いたたたたたっ、何だぜっ!」


「愛のムチだよぉ」


「暴力に愛は無いぜ」


「くっ、正論を」


「性論?」


「おバカっ」


また叩く、何故か頬が赤く息も荒く汗もダラダラ。


何を興奮してるんだぜ?


「こんなに上品な俺に何を言ってるんだぜ」


長い足を見せ付けるように伸ばして薄く、このままイチャコラに持ち込んで有耶無耶にしてやる。


グロリアみたいに。


「そんなんだとグロリアみたいになっちゃうよォ」


「望む所だぜ」


美貌で人を支配するって最高だろ?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る