閑話362・『長い足に太い精神』
キョウを女の子っぽくしたい、というか下品な言葉や下品な行動、どうにかしたい。
グロリアはキョウのそんな所も大好きなので放置しているが将来的な事を考えるとねェ、神様の子供だし。
マナーは知っておいて損は無し、湖畔の街でキョウに説明する。
「や」
「短いっ、短い返事だけどそれはまさか」
「や」
「だ、だから」
「マナーの練習するの『や』」
「くっ」
耳を指で掻きながらキョウは天使のような、いや、天使を遥かに凌駕する笑顔、しかも耳をほじりながら、
お、お下品。
「や、やめなさい」
「けぷぅ」
頭を叩くとキョウは涙目になって睨んで来る、しかもやや殺気が―――――愛するキョウちゃんになんて失礼なっ、
ついつい苛立って何度も頭を叩いてしまう。
「このこのこのこの」
「いたたたたたっ、何だぜっ!」
「愛のムチだよぉ」
「暴力に愛は無いぜ」
「くっ、正論を」
「性論?」
「おバカっ」
また叩いてしまう、なんだか最近は姉妹って感じで性的な展開に持ち込むのが難しい。
疼く日もある。
畜生だよ。
「こんなに上品な俺に何を言ってるんだぜ」
長い足を見せ付けるように伸ばして薄く笑うキョウ、男性ならこれだけで理性を失ってしまうだろう。
む、無駄な美貌、それよりも内面を磨かないとっ。
グロリアみたいに。
「そんなんだとグロリアみたいになっちゃうよォ」
「望む所だぜ」
あ、あれは望んだらダメでしょうに。
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