閑話361・『自分にセクハラしたら殺される』
男の人を口説いて路地裏に誘い込んで捕食。
女の人を口説いて路地裏に誘い込んで捕食。
子供を捕食、大人を捕食、老人を捕食、人外を捕食――――――――――――あーおいし。
「もぐもぐもぐもぐもぐ」
『か、狩場を変えようよォ』
「ここお気に入り」
『お気に入りの何も死臭が凄いよ、気付く人は気付く』
欠片も残さず食べているのに死臭なんてしないだろ、しかしキョウの言っている死臭は意味合いが違うようだ。
臭気では無い、死の気配、死の雰囲気を死臭と表現したのだろう、路地裏の隅には苔が生えていて小さな花を咲かせている。
時間帯によっては光が―――ん?苔に太陽光ってあんまり。
「ん?」
『話聞いてる?』
「苔の話だろ?」
『ひぃ』
「どうした」
『ち、知能指数が……知能指数が』
「痴脳指数?」
『あながち間違いじゃないけどね』
「穴ガチ?」
『……バーカ、バーカ』
「んな?」
いきなり馬鹿にされたので苛立つ、全ての死体をお腹の中に収納して口元を拭う、血が袖にこびり付いたけどまあ大丈夫だろう。
何せ片腕は包帯まきまきしてるので俺の血と誰もが勘違いする、グロリアの餌用の『穴』は回復する事は無く絶えず血を垂れ流す。
んふふ。
「エロい事を言うキョウはエロい」
『言ってないからね』
「穴ガチ!」
『言ったけど言って無いっ』
「イッたけどイって無い……」
『ぶん殴るよ』
湖畔の街でぶん殴られた。
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