閑話353・『君を救いたいうまい2』

男は筋っぽいけど噛み応えがあって美味しいよ。


女は柔らかいけどやや油っぽい、でも美味しいよ。


「両方美味しいぜ」


『……そう、まあ、食べ過ぎは良く無いよ』


悲鳴を聞いて駆け付けた時には既に全てが終わっていた、魔物に襲われた冒険者たち。


キョウは生存確認をしながらグルグルお腹を鳴らせている、お目目もグルグル回っている。


忙しなく股を擦り合わせて興奮状態、お腹空いてるんだね。


「太っちゃうからな」


『……え』


「食べ過ぎちゃうと太っちゃうからな」


『き、キョウの口からそんな言葉が……嘘でしょ?』


「俺も女の子だからな」


全ての死体を足先で突く、みんな死んでいる、まだ死臭もしない、生命の息遣いの名残が暗い森の中に広がる、キョウの食欲を刺激する良い匂い。


良い臭い?ん?僅かに動いたそれに選択肢が増える。


人間として救うか。


エルフライダーとして見殺しにするか。


んふふ。


「生きてる」


『年若いって事は肉柔らかいって事だよ』


『年若いって事は肉柔らかいって事だよ』


『年若いって事は肉柔らかいって事だよ』


『年若いって事は肉柔らかいって事だよ』


『年若いって事は肉柔らかいって事だよ』


『年若いって事は肉柔らかいって事だよ』


『年若いって事は肉柔らかいって事だよ』


『年若いって事は肉柔らかいって事だよ』


『どうするの?』


ぐしゃぐしゃ、ぐしゃ、みししししし。


「うみゃあああああああああ」


『ふふ』


「死んでる」


そうだね、洗脳するの簡単。


お手軽キョウ。

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