閑話338・『餌とエゴ』

エルフライダーの能力を制御出来無いまま覚えた悪食を行っていたら別の化け物になってしまう。


本人はグロリアが望むのならそれはそれで良いと思っているのが始末に終えない、なので私が色々教え込む。


「三食食べるとしたら一つはエルフを食べよう、それでトントン」


「トントン、豚豚(とんとん)?……オデブちゃんになれと?」


「違います」


「オデブちゃんになるのは得意だぜ、沢山食べる!」


「ああ、この時点で話しをちゃんと聞いて無いよォ」


「?」


「取り敢えず必ずエルフを食べましょう」


「そうすればどうなる?」


「健康になります」


「エルフすげぇ」


「万能食です」


嘘は無いよォ、エルフを食べていれば体が変化する事も無く精神が汚染される事も無い、しかし変わり果てたものはどうしようもない。


既に変化してしまったキョウはどうしようもないのだ、これ以上悪くならない為の提案。


そもそもエルフライダーなのだからエルフを食べなきゃ。


グロリアの計画の弊害。


もう。


「エルフなぁ……また集落襲うか」


「極端だよォ、毎日少しでも」


「うー」


習慣を身につけた方が良い、新しい味を覚えたらそればかり食べるのも悪い癖だ、特に魔物に関しては大好物になってしまっている。


幹部勢は体に与える影響も強い、あまり食べ過ぎると変化が増進する。


「キョウがエルフを捕まえてよ」


「餌やり係が嫉妬で死ぬよ?」


「死ねよォ」


涙目になってキョウが訴える。


うわぁ、酷い子。


可愛い。


「よーし、キョウちゃん少し頑張ってみるかー」


「ぐすぐす」


頭を撫でてあげた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る