閑話337・『人間と人参は一文字違いなので同じ味2』
ご飯が食べられると思ったらご飯に逃げられた、干渉する前に逃亡。
そりゃエルフが主食ですからエルフからしたら死神だろうけどさ、逃げるの早過ぎ。
くるるるるる、お腹を鳴らしながら湖畔の街の一室で丸まっている。
くるるるるるる。
「キョウ、ご飯を食べられ無かったからって不機嫌になられても困るよ」
「ふんすふんす」
「レクルタンと同じでわかりやすいなァ」
母の遺伝を全開にしつつ荒い鼻息、レクルタンも興奮すると同様に小さな鼻を震わせて鼻息荒く動揺する。
何故だろう、エルフが食えない現状にレクルタンの遺伝子がぷんすか怒っている、我が子に餌をやれぬとは何事か。
ふんすふんす。
「ふんすふんす」
「落ち着いてキョウ」
「俺はウサギだぜ」
「そうだね、レクルタンと同じうさ耳生えてるし、だから落ち着いて」
「落ち着く前に餅つくわ!」
「落ち着いて、それもウサギだよ」
お月さまにいるウサギとレクルタンは関係があるはず、ダメだ、うさ耳によって思考が大いに乱れる。
あ、あかん、だぜ。
「………お腹減ったぜ」
「ニンジンしか無いよ」
「ぽりぽり」
「食べるんだ」
レクルタンの細胞が活性化しているの美味しく食える、ぽりぽり。
ニンジンが主食になるとニンジンライダーになっちゃうぜ。
「ニンジンだぜェ、ぐすん」
「人参だよ、人だよ」
「字面だけじゃん」
「んふふ」
「ポリポリ、ぐすん」
「ニキビも出来たんだから、不摂生を止めて野菜を食べようねェ」
「ウサギだから野菜しか食えないぜ?」
ぽりぽり。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます