閑話319・『道徳どう説く2』
どうとくを教えるよォ、現実世界での戦闘で疲れた俺は湖畔の街で休憩中、するとキョウが荒々しくベッドに乗り込んで来た。
目を白黒させる俺、何よりも言葉の意味がわからずに首を傾げる。
どうとく。
「どうとく」
「そうだよォ」
「………どう説く?」
「いやね、聞かれてもね、それを今から教えるんだよォ」
「ふーん」
ベッドの上で手足をジタバタさせて抵抗のポーズ、キョウは色々と面倒な事を俺に教えようとする。
面倒な事は嫌いだ、ご飯食べて、ドラゴンライダーになる夢を追って、グロリアに褒められる、それだけで良い。
不純物はいらない、どうとくも多分不純物、いらない、それなのにキョウは一生懸命………つまりは人間に嫌われ無いで人間として認識される方法だろ?
「えっと、悪い人間を食べるのはどうかな」
「んー」
「そしたら良い人間、うーん、凡庸からは好かれるよ」
「?つまる殺人者とか、人間の輪の外にいる奴を始末しつつお腹も膨らませて一石二鳥?」
「まあ、そだね」
一つの矢を用いて二羽の鷲を撃ち落とす意味合いなら一人の化け物が食欲を満たしつつ一人の悪者を殺す事になるしな。
誰が化け物だ、ぷんぷん。
「そうすれば人間と仲良く出来るよォ」
「おぉお」
「どうだー」
「んー、悪い人間、美味しいかな」
「え」
「いや、悪い人間は美味しく無いと思う、良い人間の方が美味しそう、字面的に」
「た、確かに……悪い豚より良い豚のが美味しそうだもんねェ」
「うん」
「―――――――」
「じゃあ、この件は保留で」
保留にした、やった。
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