閑話312・『生理を整理』
制御出来無い衝動のせいでエルフの集落を壊滅させる事が多々ある。
そこで疑問が生じるのは俺には満腹中枢が無いのか?それともまだまだ単純に食えるだけ?
キョウに問い掛けると意外そうに目を瞬かせる、食事に関しては食うだけで何も考えていないと思ってたろ?
バカでも少しは考えるぜ。
「そだねェ、満腹になった事が無いから後者じゃない?」
「グロリアも大食いだし、俺も大食いだし、バランスの悪いカップルだぜ」
「あはは、言うねェー」
「結婚したら台所が火の車だぜ」
「そのまま家ごとグロリアまで燃えて未亡人になっちまいなァ、私が貰ってあげるよォ」
「いえごと、家ごと、家事、火事だけに家事ってか」
「違います」
すんっ、あまりに呆気無く会話を打ち切られて黙る俺、もう少し弄ってくれても良いんじゃないかなァ、湖畔の街の民家で俺と私はダラダラしている。
最近の食事事情について話しているのだがキョウは割と聞き流している、思えば食事をするのは俺だけでキョウって小食だよな、男と女の違いって奴かな。
「キョウはあんま食わないよな」
「太りたくないしねェ」
「あはは、シスターだから太らないぜ」
遺伝子的にそのように調整されている、しかしキョウは何も言わずにニヤニヤ邪悪な笑みを浮かべる。
人を惑わす悪魔のような笑み、何処までも何処までも人を堕落させる笑み。
笑い方エグイわぁ。
可愛いけど。
「そうやって油断ばかりしてると太るよ」
「えー、太った事ねぇぜ」
「世界の女性を敵にしちゃって」
「……沢山出すしな」
「下品」
「?」
何を咎められたのかわからない、しかしキョウが口をモゴモゴしているのが珍しくて苦笑する。
殺されかけて良く血を流すからな、血を出せば痩せるだろ?
んふふ。
「血も沢山出るぜ」
「もっと下品だよォ」
え。
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