閑話310・『影不意ちゃん最強2』
あくあくあくあく、雨が降り注ぐ、湖畔の街には珍しい。
キョウのゲロゲロは『あくあくあくあくあく』に聞こえる、自分のカエルを探している、呼んでいる。
だから素直に邪魔をする。
「ゲロゲロ」
「ゲロゲロ」
「き、キョウに返事したわけでは無いぜ」
「ああ、そうなのォ、私に抱かれたいのかと思った、ゲロゲロって、メスを呼んでみた」
「め、メスって俺の事か?」
「そだよォ」
暖炉の前で椅子に揺られながら書物に視線を走らせる、速読、読み終えたら暖炉に捨てる……やはり影不意の本が一番だねェ。
あらゆるジャンルを網羅しているし何より『俯瞰』で全てを書き切っている、そこには誰の視線も無い。
あの子はやはりすごい。
「影不意の本は良いね」
「そうなんだ」
「うん、あの子はいい」
「じゃあ俺じゃ無く影不意抱けば良いじゃん、ばーか」
「え?え?」
「バカっ」
影不意の本を褒めたら影不意を抱けと言われて意味がわからずに狼狽える、そもそも抱きたくない。
抱きたいのは何時だって貴方。
「あ、あの、そーゆー意味で言ったんじゃないよォ」
「バカ」
「影不意はほら、可愛いけど」
「うぅ」
「い、いやいや、可愛く無いけどォ」
「ああん?影不意可愛いだろ!」
展開的に影不意を貶めるしか無い、しかしキョウの望みのままに口にすると鋭く睨まれる。
影不意は……鬼門だァ。
「えぇぇええ」
「影不意『ちゃん』の悪口言ったからキョウきらーい」
「えぇぇ」
えぇぇぇ、理解出来ずに口にする。
お、女の子難しいよォ。
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