第461話・『サソリ鍋内部鍋』
サソリの中に入ってしまえば外の状況など関係無い、様々な生物の中に入って来たがここの居心地は良い、住みたい、家賃いくら?
様々な左右相称動物と同じように節足動物は体腔を持っている、人工的な生物に関わらずそこは同じようで遠視すると遠くに光が見える、そこでも呼吸するの?
消化管は体の前後で一直線に伸びていてわかりやすい、透明な触手でくすぐると大きく振動する、痛みでは無いようだな、ここで水晶を処理してより大きくなるっぽい。
そして口と肛門という前後に開け口を持っているがそこは流石に人工生物、結晶で塞ぐ事で完全に閉じる事が出来る、つまりは侵入する事は出来無い、やはり透過で正解だった。
体節に同じように真っ直ぐ一直線に伸びる紐状の心臓と中枢神経は両方とも体の背面と腹面に……内部で観察しながら感心する、こんなに細いモノで体に……人間と全然違う、哺乳類と全然違う。
「あん、しゅきぃ、合理的ぃ」
『とんでもないものを体内に入れて可哀想だよォ』
「とんでもなく可愛い俺をォ?」
『せめてサソリのメスならねェ』
「お、おれ、サソリのメスになります」
『なれません』
循環系は開放血管系のようだ、細胞外液やリンパ液や血液リンパ液の分類は無い、そうだ、俺の血液を使えば何でも『万能』になるよと思い付いて小指を噛み千切ろうとするとキョウに静止される、しかも容赦の無い罵りの声。
あう、血液と同様の効果を持つ血リンパが心臓と組織の間隙……血体腔に存在している、素敵な色合いのそれ、流れているそれ、流れているものに触れたいのは衝動であり野生でもあるが罵られるの嫌なので我慢する、サソリに嫉妬するなよ。
「しゅき、これ、無駄ない」
『無駄が無いのはキョウも同じだよ』
「えへへへへ」
『でも流石にこれには……人型捨てたく無いでしょう?』
「キョウが俺を好いてくれるならどうでも」
『お、おバカ、好き』
「けなして好き?!」
心臓の脈動や体の運動が効果を発揮させる、血リンパは心臓の動脈を介して全身の静脈と呼吸器などの器官を通る、そして心門を通過してまた心臓に戻るのだ、延々と続くスパイラルを壊すのは心苦しい。
リンパ液には免疫系を支配する血球が存在するのだが俺を寄生させた時点でむりむりむり、むりりん、あはぁ。
「ぷふふふっふ」
『まあ、追い出そうにも透き通ってるしねェ』
「死ねェ?」
『語尾だよ』
「ん」
神経系を弄る、一対の神経索が体の両方に通っている、それが体節に呼応するように分節している、交互の連絡で伝達するはしご形神経系がある……何も感じないで何も知ら無いで俺のモノになって欲しいので切断する。
頭部や頭胸部の脳味噌にも干渉する、サソリ味噌、コレも体節と一緒に数対の神経節が結合したものである、その地点から食道を覆って食道神経環は体の神経節に広がっている、ここを支配すれば水中にブクブク沈められる。
でも泳ぐの好きそうだから止めとく。
「んふふふふふ、あああああああああああああああああ」
触手を神経に突き刺して融合する、おれのにくがかたいにくとかとおなじになるるんんんんんんんんんんんんんんんん。
つよいいきものとりこむのきもちいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい。
にゃん。
「にゃん」
『はあ』
にゃんにゃん。
うひひ。
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