第456話・『レイちゃんは見た目は女の子のショタで頭おかしい姉狂い』

鍵穴も無ければ仕掛けも無く特殊な魔法が仕掛けられているわけでも無い。


故に力尽くでぶっ壊す、麒麟の肉体は人外の能力を持って扉を粉砕する、遥か前方へと吹き飛ぶ鉄製の扉。


しかしこの体は良いなあ、魔王軍の元幹部勢も同様の事が出来るだろうが何より馴染む、神の肉体は神の子である俺には最適。


普段の体も同様なのは何故だろう?……シスターの肉体も神の肉体?まあ、組織が崇める神を考えればその結論は限りなく正解だろう。


これで異様な地層とおさらばだぜ、暗闇の中に足を踏み入れる、灰色狐の細胞が自動的に発動して『瞳』が切り替わると同時に耳と尾が発生する。


麒麟の容姿に灰色狐のチャームポイントってもうこれわけわかんねーな、尾を左右に振りながら空気の流れを読み取る、ん?もしかしてこれもまた悪い組み合わせでは無い?


「まともになったぜ」


『もう少しだね、でも餌以外の気配もある』


「中ボスだ」


『そうだねェ、しかし私達が侵入してるってわかってるのに全く移動しない、舐められてるのかなァ』


「なめなめする、捕まえてペロペロする」


『舐められるんじゃなくて舐めたいんだ、物理的に?』


「レイの女は寝取ってペロペロして調教してレイに見せてお姉ちゃんしゅきーって言わせる」


『レイは何時も言ってるよ』


「アへ顔で?」


『うん』


「そ、そんな弟だったか」


『そんな弟だからキモイよねェ』


「うぅ、お、弟にそんな酷い事を言うなよ」


『えげつないキモさ』


「………進もうと」


『チッ』


「女の子なんだから舌打ち止めな」


『女の子なんだから何時までも弟弟って止めなァ、キモくて男も女も寄って来ないよォ』


「チッ」


『女の子なんだから舌打ち止めなァ、ぷぷ』


何枚も上手のキョウの相手をするのは疲れるぜ、しかしそこまで俺の事を大好きなのかレイ、暗闇の中で苦笑する。


れい、れい、あ、当たり前のように思考してるがおれに、おとうとはいないはずだけど、おかしいな。


『来るよ、中ボス』


「う、あ」


おかしい。

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