閑話274・『おバカ主人公だけどだからどうしようってわけではない2』
小高い丘の上で丸まりながら現実逃避をする、嫌だ、お嫁さんは嫌だ。
しかもロリのお嫁さん、世間の目が――――同性だし、背負うにしては色々重い。
もっと遊び呆けてたいぜ、すやすや、そんな俺に突然鋭い痛みがっ、デコを押さえながら隣で佇むキョウを睨む。
涼しい顔しやがってぇ、俺が嫁に行くって事は一心同体のお前も行く事になるんだぜ?
「イテェ」
「そんなに強く叩いて無いでしょう?」
「これ以上バカになったらどうするんだっ、あの二人の所にお嫁に行く羽目になるぜ」
「それだよ、それ」
「あ?」
言われている意味はわからないがからかい半分の口調と穏やかな響きが俺の『男の子』をくすぐる、お、女の子にそんな風に見られるのは何だか嫌だ。
俺がお前を護るんだ、お前が俺を護るんじゃない。
か、勘違いするなよ!
「お、俺を下に見てるだろぉ」
「なにその質問、可愛いんだけど」
「何処に可愛い要素があるんだぜ?!」
「そんな事してるから一部如きに嫁に来いとか言われるんだよォ」
「う」
「自覚してよねェ」
「うう」
「おバカさん」
「うううううううう」
「バカ」
「せめてさん付けしてくれ!」
「バカさん」
「ん?なんかさっきと違う、何だろう」
違和感に首を傾げる、頭に手を当てて唸る、同じキョウなのにどうしてこうも頭のつくりが違うんだろう?
泣きそうになる、うぅ。
「な、なんだろ、何が違うんだぜ」
「バカさん」
「何だろう、うう」
わからない、悩んでいる内に結婚云々の悩みは消えてしまった。
悩みで悩みが消えた!
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