閑話266・ 『どっちにでも嫁入り2』

ベッドの上で抱き枕と化す自分に呆れながらも大きく伸びをする、祟木は俺の相談事に真剣に耳を傾けている。


そんなに真剣になる程の話題では無いのにな、ちょい怖い、何時もの様に飄々としてて欲しいぜ。


「お嫁さんは嫌だぜ」


「そりゃそうだ」


「いや、もっと遊びたい、もっと色んな娘と遊びたいのに何が悲しくて母親と結婚しねーとダメなんだぜ」


「ごもっとも」


「そうだろ、んふふ、背中ぽんぽんして」


「はいはい」


「灰色狐と結婚してもいいけど、まだな」


「ん?」


祟木が硬直するのがわかる、柔らかいロリ肌がカチカチ、その後に小さく震える。


どうしたんだろ?


「親子同士で結婚はどうかと思うな」


「そうか?まあ、俺を大切にしてくれるなら」


「だったら祟木でいいじゃないか」


「ん?」


「祟木ではダメか?」


「い、いや、だめじゃないけど、どうした、いきなり」


「いきなりは灰色狐も同じだろう?何より、こっちには負い目がある、女性の体を傷付けた負い目が」


「ま、真面目は似合わないぜ」


「それは建前で利用する算段さ、そうでもしないと灰色狐と……許せないな」


「ゆ、許せないんだ」


あんなに自由な祟木が俺って存在に雁字搦めで――――ついつい嬉しくなる。


それが見たかった。


それしか見たく無かった。


「ふ、ふーん、ふーん」


「だから灰色狐よりこっちの方を意識しなさい」


「う、うん、努力する」


お嫁さんにしたいなら、お、お前も努力しろよ?

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