閑話253・『負い目と愛情を育てる』
憎しみを育てるのは上手な方だと思う、母親が、狐が変わりゆく様を見詰めながら思う、おもうおもうおもう。
だけどまだ祟木はクールな所がある……一部の中では一番自分を俯瞰で見ているからな、うっとおしい、俺に依存すれば良いんだよ?
そうすればもっと可愛がってやる、かつては俺の為に非力な身で殺人をしておしっこ漏らしたものな、そーゆのでいいんだ、そーゆーのがいいんだ。
祟木に膝枕をして貰いながら悪意と瘴気を垂れ流す、エルフライダーの狂気は簡単に生物を破壊する、脳味噌ぐちゃぐちゃ楽しいよね、でも祟木は一部だから。
「何をしている?」
「ああ、祟木に干渉してもっと壊れないか試してる」
「そうかい」
「怒らないの?」
「……目、膿んで無い?」
「あはは、目はもう無いぜ、膿んでたらどうするんだ?」
「………申し訳無く思う」
「ふふ、ばーか」
愛する人間を傷付けると『生き物』はこうもしおらしくなるのか、あは、それは発見である、俺はグロリアを傷付ける事なんて死んでもしたくないからさぁ。
こうやって祟木を通じて新たな発見を見付けられて嬉しく思っているぜ?伏目がちのソレを見詰めながら、見あげながら、わらう、とても楽しい時間だ。
しかし視界は相変わらず狭いぜ。
「何時も元気な祟木がこうもな、元気出してよ」
「―――――――ごめん、無理だ」
「そうかそうか」
「ああ、目を擦っては―――――――」
「だから目はもう無いんだぜ?お前が抉って空洞にしてくれたんだ」
「っ」
「お前が抉って空洞にしてくれたからこんなに陰鬱で憂鬱な時間が続いてるんだぜ?」
「わかっているさ、わかって―――――」
「それとも、もう片方も抉るか?そうしたらこうやってずっといられる、他の誰でも無い祟木だけの俺になる」
「そんな資格は無いだろう」
「資格を取るより片目を取れよってお話」
「――――――――――」
答えないのか、答えられないのか。
もう少し壊して見るかな?
んふふふ。
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