閑話241・『ちゅう狐ちゅう、え、ねずみ』

「んー、祟木より甘い」


「そ、そうじゃろう!」


ポンコツ狐は少し母性に訴えかけるようなポーズと言葉で責めて見たらぴゅーぴゅー母乳が出ました、あまりに単純な仕様に流石の俺も狼狽える。


甘みはあるのに舌に何も残らずに飲みやすい、チョコレート色の肌が滑らかで艶やかで少しだけ興奮する、そして見た目の通り中身は甘い、何だこの狐。


「ちゅーちゅー」


「ふはは、勝ったのじゃ!祟木に勝ったのじゃ!糞雑魚祟木にっ!」


「ちゅーちゅー、口わるっ」


一部の中では最弱の祟木だけど改めて言われると腹が立つな、ベッドの上で夢中になって乳を吸う、夢ちゅう、ちゅーちゅーちゅー、しかし悔しいけど美味しい。


祟木はこれをわかっていて?いや、そんな事はねーな、絡まれるのが面倒だから役目を半分分け与えただけだ、細い足が俺の腰に絡み付く、本気だな灰色狐。


涙目になって俺を見詰めている、いや、そこまで感動されたらちょっと怖い、つーか俺が吸っている事に感動するよりも母乳がいきなり出るデタラメ体質に驚け。


「愛じゃ」


「ちゅー、ん?」


「愛の力じゃ」


「……ちゅーちゅーーー」


「キョウへの愛の力じゃああああ!」


「うるせぇ?!」


「愛じゃあああああああ」


あれだ、美味しいけど静かに慈しむ様に俺を撫でてくれる祟木と違ってこのロリ母うるせー、甘噛みするとムフフと笑うし、俺が絡まないとクールで知的な母親なのにな。


それだけ俺を大切にしてくれてるって事だろうけど、食事中に耳元で叫ばれたら食事に集中できねーぜ?んー、祟木より僅かながらな膨らみがあるような気がする、気がする。


気のせいじゃねェ。


「ん?祟木よりでけぇ」


「なにがじゃ」


「チッパイ」


「ほう……まあ、当然じゃな!キョウへの愛の大きさじゃ!」


「こんなにちいせー愛!?」


「あ、あれェ」


「ちゅーちゅーちゅーーーーー」


「いたたたたたたっ」


全力で吸ったり噛んだりすると灰色狐が困ったように声をあげる。


ぷんぷん、俺への愛情がそのチッパイなら吸って噛んで大きくしちゃる。


バカ。

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