閑話239・『ロリママ学者さま』
ちゅーーーーーーーーーーーーーーー。
キョウに母乳を与えるのに抵抗が無くなった頃、灰色狐の嫉妬は爆発した。
母性による嫉妬は凄まじく殺されそうになったがキクタと女性寄りのキョウが見事に足払いしてズサーとなった。
ズサーと。
「あはははは、あれは見事だったぞ」
「んー、けぷけぷ」
「ああ、ゲップをさせないと」
「けぷー、そうか、灰色狐は相変わらずおもしろ愉快楽しいな」
「その表現は正に灰色狐の為にあるな」
キョウは満足そうに頷きながら膨れた腹を叩く、エルフライダーの食欲は貪欲で悪食でとどまることを知らない、故にエルフだけでは無く母乳でも満足する事がわかれば―――ああ、いいな。
そもそも自身にもエルフの要素があるしキョウの体の中には多くのエルフの細胞が含まれている、それで構成されている肉体から得られるものならキョウも満足するだろう、まさか母乳とは。
祟木的にもうな、慣れてしまったさ。
「祟木の母乳でお腹が膨れた」
「押して見よう」
「けぷぷ」
形の良い臍の上から押してやる、そもそも人工的に誕生するシスターにどうして臍があるのだろう、そこから何かしらの媒体を装着して栄養を取り込むのだろうか?
自分の興味の範疇だがキョウにそれを言ったら後ずさりして引かれた、ああ、駄目か………多くの一部が力でキョウを支えているように知識で支えたいのに空回りする事が多々ある。
「解剖は嫌だぜ」
「しないさ」
「……けぷ」
「部屋の隅で縮こまってないで、おいで、背中をポンポンしてやろう」
「う、うん」
猫よりは単純で犬よりも従順なキョウ、すぐにベッドの上に戻って来る。
扱いやすい、だからこそ誰かに奪われないか不安になる時もある、知識は自分に蓄えたら一生自分のものなのにな。
キョウは誰かのものになるのかな?
「親心なのか」
「んー、俺の親は沢山いるけど祟木は違うだろ」
「……母乳を与えているのにか?」
「はっ?!………ママ―」
「調子が良いな、全く」
祟木自身もな。
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