閑話221・『つーーーーーーーーーーーん』
「大人の私に聞けば良いじゃないですか、つーん」
「クロリア、落ち着け」
「子供の私に聞いても無駄ですよ、つーん」
「左右にそっぽを向くのは止めなさい」
「………私が子供と知っての嫌味だと思いました、つーん」
「つーん止めて、地味に傷付く」
青と緑の半々に溶け合ったトルマリンを思わせる瞳をキラキラとさせて俺を見つめている、ベールの下から覗く艶やかな銀髪は雪景色を彷彿とさせる………ニヤニヤと吊りあがった唇の端が意地の悪さを感じさせる。
からかい半分だが後半分は本音だな、胸の幅の肩から肩までの外側で着る独特の修道服は一切の穢れの無い純白で教団のシスターに与えられる支給品、魔力に対する抵抗力があり自然治癒能力も完備している……………身長は俺の胸の位置ぐらいしか無い。
グロリアのクローン、クロリア……模造品では無く俺の番いになる為に開発された存在、しかし夫婦喧嘩のような状況は嫌だぜェ、すげぇやだ。
「つーん、つーん、です」
「………」
「つーん、つーん、つーん、つーん」
「………」
「つーん、つーん、つーん、つーん、つーん、つーん、つーん、つーん、つーん、つーん、つーん、つーん」
「…………」
「つーん、つーん、つーん、つーん、つーん、つーん、つーん、つーん、つーん、つーん、つーん、つーん」
「…………」
「はふ」
「あのな、一周回って可愛く見えて来た」
「もうつーんはしません」
「何で?!」
「キョウさんはおバカ可愛いですね」
「褒めてる?」
「褒めてます!」
熱弁する嫁候補を受け流しつつ必死の説得を続ける、しかしクロリア曰く『キョウさんには必要無いです』の一点張り、ちっ、気付かれたか?本当の理由がグロリアに喜んで欲しいって事にっ。
こいつ、オリジナルであるグロリアに向ける敵意半端ねーもんな、あれ、キョロもそうだよな?グロリア、どんだけ自分の眷属に嫌われてんだよ、ぷふふふふ、少し良い気味だぜ。
俺がその分好きだから大丈夫だろ?
「絶対に教えないです」
「え」
「その顔を見れば全部わかります、つーん」
「あ、可愛い」
可愛いから別にいいぜ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます