閑話211・『女子力と書いてレズ力』

「キョウもそんなお年頃ナー」


「お、おお」


思った以上に良い感触だ、前回の奴らは既にこの時点で否定的だった、具現化した呵々蚊はベッドの上で伸びをしながらうんうんと頷く。


変態ストーカーである過去を除けばこいつも女の子らしいしな、まあ、その変態ストーカーであった過去が全面的にNGなわけだから擁護出来無いけど。


「しかしお化粧をしてもあまり意味無いと思うナー」


「な、何でだよ」


「すぐに飽きてしなくなると思うナー、まず最低一時間は必要ナー」


「……………そんなに?」


「キョウは興味が無い事はすぐに放り投げるからナー、一時的なものなんでそんなもんだろナー」


檀(したん)や紅木(こうき)のように赤みの強い紫黒の髪がサラサラと肩に流れる、砂のように全てから零れ落ちるような極上の手触りをした髪質、それについ触れてしまう。


綺麗だけどこーゆーのも日頃の手入れが大事なんだよなァ、自分の癖ッ毛が妙に恥ずかしくなって項垂れると下から覗き込まれる、ロリは覗き込むのが上手だなぁ。


「俺はこう見えても飽き性で凝り性だぜ」


「知ってるナー、好きな事はとことん、だけど肌に合わないモノはすぐに放置」


「う」


「昔から知ってるナー、だから幼馴染の呵々蚊たちの事も捨てれないナー」


「うぅう」


「捨ててしまえば良かったのに、凝り性ナー」


「………レズプレイの話だよな?」


「………レズプレイの話では無いナー、おバカ」


前髪を揺らしながら静かに笑う、どうしたんだろう?眉の上で一文字に切り落とされた前髪、腰の辺りで同じように直線に切られた髪、全てが整然としていて面白味は無いが美しい、光沢のある髪が鮮やかに輝いてる。


こいつ女子力高いよな、ん?


「女子力ってレズ力だっけ」


「この子は……ナー」


「そうだもんな、呵々蚊はベッドの上でも凄いもんな」


「キョウは常日頃から弾けっぷりが凄いナー」


「わはは、褒めるな褒めるな女子力上がるぜ」


「……………」


「良し、お化粧を教えてくれ、あと髪のお手入れ!」


「嫌だナー、レズ力上げる手伝いはしたく無いナー」


「え」


珍しく呵々蚊に断られた。

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