愛情を与えても餌を与えてもキョウを独り占め出来無い事を知った、どうすれば良いのだろう。

女のキョウが自分を排除しようとしたようにキョウの大好きな人を全て奪う？キョウの一番大好きな人ってキョウ？あの女のキョウ、メスのキョウ。

それを殺せばあの女の位置に立てる？生理的に切り替わるキョウに、半端な自分では無い、そして他者としてもキョウを愛せる完璧な存在に。

だとすればあの女のキョウを殺せば良いのだ、そうだ、理屈は同じだ、餌やりの理屈と同じ、キョウが教えてくれた通りに生き物の大きさで愛を伝える。

キョウの中で最も愛情を占めている大きな生き物はあの女のキョウ、それを殺す事で愛情を伝えれるじゃないか、学んで良かった、賢くなって良かった、夕暮れの空を見る。

キョウの寝息、穏やかな寝息、ふふ、たーんとお眠り。

「キョウ、キョウ、キョウ、キョウ、キョウ、キョウ、キョウ、キョウ、キョウ、キョウ、キョウ、キョウ、キョウ」

「キョウ」

「女のキョウを殺して」

「愛情を伝えるのだ」

「その居場所を奪うのだ」

「洞窟から出てキョウの横に立てるようになった」

「住処がキョウに変わった」

「同じように奪えば良いのだ、望めば良いのだ」

「キョウ、キョウ、キョウ、キョウ、キョウ、キョウ、キョウ、キョウ、キョウ、キョウ、キョウ、キョウ、キョウ」

穏やかな寝息は苦しそうな呻きに変わる、キョウの横でキョウの名前をキョウのいる場所で囁く、そして女のキョウを殺す。

全てがキョウだらけ、キョウに満たされていてとてもとてもとても幸せ、永遠にこのままでも良いなと夢想する、女のキョウを引きずり出す術をキョウから聞かないと。

キョウはうっかりさんなのですぐに教えてくれるのだ。

すぐに殺してあげるのだ。

女のキョウをキョウの餌にする。

「キョウ、キョウ、キョウ、キョウ、キョウ、キョウ、キョウ、キョウ、キョウ、キョウ、キョウ、キョウ、キョウ」

キョウを殺してキョウに愛を伝える。

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