第403話・『おめめ抉りフレンド』
「キョウが一部を殺そうとするとは困ったものだぜ」
予想出来無かった展開に少し落ち込む、あいつ、ここまで過激な行動はグロリアを嫌わせようと俺を洗脳した時以来かな。
展開的にはそっちの方がきついけど今回のコレも中々だ、流石に笑って誤魔化せるような事でも無い、キクタに命じて体の中で護衛をっ。
キクタは何の疑問も持たずに承諾してくれる、まあ、俺の権限とキクタの権限を合わせればキョウもあまり好きな事は出来ないだろう。
流石に一部に手を出すのはNGだぜ、湖畔の街に幽閉状態だから後々説教を―――したくねぇわなぁ、会いたいけど会いたくない、気まずい。
頭を抱える、昨夜の戦闘で折角の積み上げた餌が散り散りに、それを拾ってむしゃむしゃ食べる、キョウが体を行使したせいか筋肉痛だ、あいつの実力は俺以上だからなァ。
「ごめんな」
「いやいやいや、流石に死にそうになった時はびびったのだ」
「あいつ怖いだろ」
拾い上げた肉を俺に渡してくれる、形状はあれだ、人のあれ、それをもぐもぐ口に入れながら素直に謝る、うん、キョウを前に一人で立ち向かったのは偉いぜ、惚れちゃうぜ。
俺だったら失禁して全力で土下座だな、グロリアとキョウは俺の中では怒らせてはいけない存在だ、だからこそ今こうやって悩んでいるわけでっ、しっと、嫉妬なのかな?
完全に同調しても良いのだがまた体を奪われても困るし、あいつが暴れ回ると周囲の地形がっ、折角積み上げていた餌の山がこのような残念な状態になるし、全く、迷惑だぜ。
「お前、俺の体の中にいる時にあまり自由奔放に振る舞うなよ」
「のだ?」
「キョウもだけどササとかあそこら辺も礼儀に五月蠅いつーか、お前が俺と対等なのは良いけど……炎水とかもさ、まあ、五月蠅い一部がいんだよ」
「そいつ等もキョウと対等に振る舞えば良いのだ」
「そ、想像出来ねぇな」
あの崇拝つーかな、自分の全てを俺に捧げている瞳を見るとな、何とも言えない気持ちになる、しかしキョウ的にはそっちの一部の方が良い見たいだ。
あいつの抹殺基準がわからずにさらに頭を抱える、こののほほんとした土岐国栖の何処か駄目なんだろうか、一部の中でもかなり陽気かつ呑気でほのぼのする。
かなりお気に入りだけどなァ。
「大丈夫なのだ」
「あん?」
「怖い奴はぱーで頬を叩くのだ」
「その時点で殺されるぞ」
「殺しに来る奴はぐーで顔面殴るのだ」
「その時点で殺されてるって」
「最終的にちょきで両目を抉るのだ」
「それ何てササ?」
な、懐かしいな、あんな事をすれば盲目的にもなるか。
少し反省。
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