第382話・『幼女を品種改良』
肌を重ねれば己の内を見せる事になるのは必然で俺の望んだものでは無いものがそこにはあるように思える。
人殺しを成功させて性行したのにどうして今更になって悩みが出るのか自分自身がわからずに葛藤する、既に俺の手垢で穢れて汚れて落ちぶれた。
彼女はそう思っていないようだが俺がそう思っている、畜生、どうして俺の内を見ようとした、見してしまった、エッチはきもちいいよ、きもちいいいい。
でもね、でも……俺の中を見て『寂しそう』と口にされた、寂しい?エッチ中に寂しい?意味がわからない、二人で蕩け合っているのに寂しいわけ無いだろバカ。
初めてのエッチで戸惑っている癖にどうして俺の方を案じる?すぐに獣になったそいつに性技を仕込みながら言われた事にショックを受けている事に気付く、ドラゴンの細胞が入っててもやわっこいのな。
行為を終えて寝転びながらイライラと戦う、いや、うん、これでいいんだ、口元についたあいつの唾液を手で拭いながら自分に言い聞かせる、気持ち良かった、肌がひんやりしてるけど俺の肉体の熱を吸収してすぐに情熱的になった。
獣だけあって行為は激しい………色んな形でしたけれど女の子同士だから工夫が必要だ、ふんすふんす、胸に五指の痕がくっきりと残っている、まあ、あいつの掌は紅葉みたいに小さくて可愛いしな、むにむに、揉める程度はあるぜ。
俺が寂しそうだと?あは、お前が寂しそうだから俺が教育してやったのに全く意味不明だぜ、穏やかな寝息、初めての行為で疲れたのだろう、いきなり服を脱いで襲い掛かってやったら目をまん丸にして驚いてたな、くふふふふふふふふ。
しかし俺を見詰めるあの瞳が気に食わなかった、グロリアのようでキョウのようで忘れた誰かのようでもあった、お前を邪悪な生き物に改造したのは俺なのにどうしてそんな慈しみの目で俺を見る、そんな目で見られる道理はねぇぜ、絶対に無い。
クロワッサン状の独特の形をした特徴的な節がある尾を丸めながら寝ている土岐国栖(ときくず)を見る。
「どうして寂しそうなんて言うんだ」
「――――――――――――――」
穏やかな寝息は何も答えてくれない、そりゃそうだ、朝方まで弄んでやったし弄ばれてやった、幼い肉体には酷な事だろう、俺は毎度の事だし、グロリアが催した時はこんな物では無い。
あっ、痕が残ってるのはヤバいかもな、グロリアに見付かると嫉妬ておもしろおかしくもキツイ展開になりそうだ、しかしコレはコレで残しとく、記念だしな、巣穴の外に放置された死体を見る。
こいつの監視役やら連絡役やら言ってたな、定期的に訪れるって、そいつを殺したのは俺に喜んで欲しいから、そこでこいつはまた学ぶ、人間を殺すと俺は喜ぶ……知り合いを殺すと俺は喜ぶ、良い学習。
寝転んでる土岐国栖の尾に触れる、ぷにぷにしている、もしもの為の栄養が詰まっているらしい、めんこい、人間を殺して知り合いが出来てもそれを殺して俺に献上する俺だけのドラゴン、将来はこいつが俺のドラゴンだ。
良いものを見付けた、人工品同士で相性も良いだろう、自動的に知り合いを殺す生き物は永遠に仲間が出来ずに永遠に俺だけのドラゴンでいてくれる、小さな虫を殺す事から始めた教育はこうやって実を結んだ、それなのに。
『寂しそうなのだ』
それなのにそれなのにそれなのに、余計な言葉が俺の脳裏にっ、それはもうあまりにも余計で胸を掻き乱して発狂したくてこのまま色々なモノを壊してしまいたくて言われたくない言葉で言われてしまった言葉でもある。
「寂しそうか」
「――――――――――」
「だったらお前が俺のドラゴンになって俺の夢を叶える道具になってよ」
「―――――――――――――」
「最初から最後まで、うふふ」
「―――――――――――――――――――」
「俺はドラゴンライダーになりたいから俺が育てたお前が一番だろ」
「――――――――――――――――――――――――――――」
「ねえ」
穏やかな寝息は肯定のようで少し落ち着く。
もっと改造したげる。
品種改良。
俺だけの。
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