第374話・『どうして死なない』
「うぅ、形の良い鼻が潰されたァ」
「…………弟よ、甘えるのウザい」
「うぅぅう、こんなに可愛いのに虐める姉がいるんだぜ、聞いてるか、姉ちゃん」
「………はつみみ」
甘えるようにして抱き付きながらギリギリと全力で締め上げる、魔物の細胞を活性化させて全力で締め上げる、並の生物だったら真っ二つ♪
おらぁぁあああああ、俺の可愛い鼻を二度もぶん殴ってくれた復讐だ、くたばりやがれぇえええええええええええええ、しかしうっすらと割れた姉ちゃんの腹筋に変化無し。
このロリチートめっ、一切の無駄が無く鍛え上げられた肉体は俺の締め上げにもモノともしない、一体なんの為に出て来たのかわからねぇし、聞いた瞬間に殴られたしっ。
「…………よしよし、ひさしぶりだからあまえてる」
「ふふふふ、お姉ちゃん大好き」
何を勘違いしているのかわからねぇけど穏やかな表情で俺の頭を撫でて来る、ぎりりりりりり、全力で締め上げてるのに締め上げている俺の腕の方が悲鳴を上げている。
優しく俺を撫でているその右手で二度も俺の鼻をへし折ったよな?ふふふふふふ、俺の一部の中で祟木と同じぐらい自由奔放な姉ちゃん、しかし祟木は俺に暴力を振るわないぜ?
だけど姉ちゃんは平気で暴力を振るう、穏やかで優しいげな容姿からは想像も出来無い行動、姉弟だから許せるけど姉弟じゃなかったら許せない、つかやっぱり姉弟でも許せないっ。
「死ねェぇええええええええええええええええええええ」
「………必死に抱き付いてめんこい」
「死ねェえええええええええええええええええええええええええええええええ」
「………めんこい弟」
めんこい弟の顔面を拳で二度も陥没させる姉にどうにか罰を与えたいっ、しかしどれだけ強く締め付けようと鋼のような硬さとゴムのような弾力をした背中に一切のダメージを与える事が出来無い。
なでなでなで、鼻の穴を大きくして汗を大量に流しながら苦悶の表情をしている俺と何処までも涼しい表情をしている姉ちゃん、麒麟の細胞も活性化させているが『変化』が無い、ば、化け物っ。
天命職の能力も卑怯臭いのにそれよりも自身で鍛えた鋼の肉体の方が恐ろしい、間違い無く特殊能力無しの白兵戦だと俺の中でも最強だ、いやいや、全部ひっくるめても最強かもしれんっ、ぎりりりり。
「ね、姉ちゃんどうして出て来たんだ」
「……めんこい」
「姉ちゃんどうして死なねぇえええええええええええのぉおおおおお」
「……めんたい」
「死ねやぁあああああああああああああ、俺の可愛いお鼻ぁあああああああああああああああ」
「………ん、お鼻もかわいい」
そのお鼻を二度も潰したのはテメェだぜ、どんなに問いただしても返事はねぇし、どんなに殺そうとしても死なねぇし。
何なのこの姉。
「………すんすん」
「ハァハァハァ」
「………はふ、天命職の匂い」
そりゃ二人一緒にいたらそうだろうよ。
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