第277話・『ロリと浮気だがキクタもロリだし、もうなぁ』

三日目は乱れに乱れた、しかし良い汗を流した、キョウは笑顔でそう言った。


白い歯が光る、このような関係になってどうしろと言うのだ、自分はキョウを殺したいのに関係を持ってしまった。


頭を抱える呵々蚊に甘えるように体を擦り付けて来るキョウ、し、尻軽っ、そして可愛い、なのでどうしようも無い、畜生。


キクタめ、お前のお姫様は超絶可愛いよ畜生、さらに頭を抱えるがすぐにあんあんと喘いだりあんあんと喘がせたりする羽目になる。


キョウの裸体は美しい、それ以上にその精神が美しい……そしてその全てを愛している、勝ち負けでは無いが既に負けている、ずっと昔に出会ったあの日から負け続けている。


しかし負け続ける事は幸せだった、大好きな人に負け続ける事は幸せだった、ずっとキクタに奪われたままでも良かったのだ、キョウが幸せなら自分自身なんてどうでも良い。


「っはぁ、呵々蚊すきぃ、キクタよりすきぃ」


「はぁはぁはぁ」


「愛を囁いてよ、ガキの体だからって体力が無いわけでは無いでしょ?んふふ、それとも俺よりキクタの方が好きか?」


左右の違う色合いの瞳が優しく細められる、あああ、呵々蚊だけを見ている、キクタを見ていない、実感する、幸せを実感する、肌には痣が幾つも残っている、キョウの肌は雪のように白いから僅かな力ですぐに赤くなる。


熱で溶けてしまう雪のように脆い、あれからどれだけの時間が経過しただろうか?寝る間も惜しんで食事もせずに排泄でのみ行為を止める、きゅるるるる、お腹が鳴る、だけど満足だ、満腹だ、心が満たされている。


汗で癖ッ毛が肌に纏わり付いているキョウはいやらしい、あまり見ているとまた催しそうで怖い、覚えたての子供でもあるまいし、覚えたての猿でもあるまいし、呵々蚊はバカか?きっとバカなんだろうなと思う。


「言って」


「す、すき、キクタよりもキョウがだいすき、ずっと言いたかった、愛してるって、伝える前にキョウは――――――――――」


「言ったな!んふふ、しゅきぃ」


「わぷ」


抱き締められる、互いの汗で肌が滑る、しかししっかりと抱き締められて胸に顔を埋めるような体勢になる、柔らかい、こう、キョウに言ったら傷付くだろうが年齢にしては胸が無い。


もう17歳なのにこれは少し、しかしキョウと一緒に旅をしていたシスターはもっと胸が無かった、キョウに胸があろうが無かろうが愛せるし愛せない理由にはならない、ああ、キョウの肌は柔らかい。


「良い子良い子、今日の事はキクタには内緒だぞ」


「わ、わかった、わかったからまた」


「良いよ、また愛し合おう……回線が意図的に切れたらやりたい放題だけどな、キクタの場合バレても怒らないぜ」


「そ、そう……でも恥ずかしいし、キクタに叱られる」


「その時は俺が護ってやるぜ、俺の女だって、ふふ、可愛い呵々蚊、俺の呵々蚊、もっとキクタより俺を褒めて」


「ぁぁ」


幼馴染一人を仲間外れにして勤しむ行為は最高だ、だけど何処かでキクタに見られているような恐怖がある、こうやって純粋に愛し合っていてもキクタは認めない。


キョウを利用する気なんだと凄むに決まっている、あああ、でもキョウが、呵々蚊を、それは違う、呵々蚊が護るのがキョウなのだ―――――なのにどうして殺そうだなんて。


キョウは心の奥底では死にたがっている、そうなのだ、知っているはずなのに、こんなにも嬉しい、大事にしたいと思える、キクタは最初からわかっていたのか?殺せるはず無いって。


だからお前は好きで嫌いだ、呵々蚊よりも呵々蚊を理解して呵々蚊よりもキョウを理解している、だけど想いは負けない、ずっと奪いたかった、キクタとレイからこの人を奪い去りたかった。


火が灯る、止まっていた時間が加速する、どうしようもなく胸を焦がす、あああ、そうだ、このままではキョウは死んでしまう、件のエルフを捕獲しないとっ、え、どれだけ時間を無駄にした?


いやいや、愛の時間は無駄では無いけど。


「えっちする時はナーナー言わないのな、それも可愛いぜ」


「じゃなくてっ!キョウ!急いで出掛けるナー!」


「ナーが戻った!?」


えっちは終わり!で、出掛けるナー!

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