第243話・『狂るるるるる、食う喰う喰う』

くうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくう、食う喰う食う喰う食う喰う食う喰う食う喰う食う喰う食う喰う食う喰う、くうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくう、食う喰う食う喰う食う喰う食う喰う食う喰う食う喰う食う喰う食う喰う。


くうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくう、食う喰う食う喰う食う喰う食う喰う食う喰う食う喰う食う喰う食う喰う、くうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくう、食う喰う食う喰う食う喰う食う喰う食う喰う食う喰う食う喰う食う喰う。


くうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくう、食う喰う食う喰う食う喰う食う喰う食う喰う食う喰う食う喰う食う喰う、くうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくう、食う喰う食う喰う食う喰う食う喰う食う喰う食う喰う食う喰う食う喰う。


くうん、お腹の鳴き声に反応して子犬のような声、俺の喉が鳴ったのか、くうんくうんくうんくうんくうんくうんくうんくうんくうんくうんくうんくうんくうんくうんくうんくうんくうんくうんくうん、俺は鳴く、泣く、餌を求めて、このままでは死んでしまう。


キョウ、キクタ、キョロ、グロリア、俺に優しい四人を求めて鳴く、餌箱に餌が無いよー、うぅうう、お腹空いた、お腹がとっても空きました、くるるるるるるる、お腹の音が変化する、恥ずかしい、げ、下品だ、女の子なのにお腹を鳴らせている、だって仕方無いもん。


食るるるるるるるるる、狂るるるるるるるるるる、食るるるるるるるるる、狂るるるるるるるるるる、食るるるるるるるるる、狂るるるるるるるるるる、食るるるるるるるるる、狂るるるるるるるるるる、食るるるるるるるるる、狂るるるるるるるるるる、食るるるるるるるるる、狂るるるるるるるるるる。


食るるるるるるるるる、狂るるるるるるるるるる、食るるるるるるるるる、狂るるるるるるるるるる、食るるるるるるるるる、狂るるるるるるるるるる、食るるるるるるるるる、狂るるるるるるるるるる、食るるるるるるるるる、狂るるるるるるるるるる、食るるるるるるるるる、狂るるるるるるるるるる。


食るるるるるるるるる、狂るるるるるるるるるる、食るるるるるるるるる、狂るるるるるるるるるる、食るるるるるるるるる、狂るるるるるるるるるる、食るるるるるるるるる、狂るるるるるるるるるる、食るるるるるるるるる、狂るるるるるるるるるる、食るるるるるるるるる、狂るるるるるるるるるる。


お腹の音が脳味噌の裏側を刺激する、指でカリカリされるような感じ、脳味噌の表面が剥がれて傷付けられて気持ちがいい、指でカリカリ、夜の森の世界でお腹の音と脳味噌が剥がされてゆく音を聞きながら丸まる、一人は寂しい。


「え、エルフライダーさまっ!」


「ひっ、おおきいこえしないで!こわい!」


突然の大声に体が大きく震える、どうしよう、襲われる?見付から無いように体を縮めるけどそもそも見付かったんだっけ?恐る恐る顔を上げる、お腹はずっとくうくう鳴いている、まるで俺じゃ無いもう一匹の動物だ、不思議っ!


相手が狼狽えるのが空気でわかる、何だろう?闇夜では相手の顔を視認し難い、くんくん、良い匂いがする、美味しそうな匂いだ、くんくんくん、鼻をピクピクさせながら身を捩じらせるとそいつに体を支えられる。何でだろ、怖く無い。


上半身を起こされて目をぱちぱちさせる、小さな体なのに力持ちだなぁ、エルフの匂いだけど俺を助けてくれた、食べたい、でも食べれない、恩人は食べたらダメ?そこは自分で決めても良いのかぁ、わからないなぁ、誰か教えてよ。


「おにゃかすいたの」


どうしてかキクタを前にしているような感覚、そのまま甘える、何処の誰とも知らないエルフの胸に頬を擦り付けるようにして囁く、こいつ優しい、こいつ俺の事が好き?理由の無い確信が胸の内に芽生えてくふふと笑う。


少し視界が乱れている、体に力が入ら無いし視力も落ちる?キョウが言ってた……

こうやって体が動かなくなって頭がゆるくなっておバカになって何も考えられない俺が一番さいきょーらしい、どうしてだろ、能力も使えないのに、歩く事も出来無い。


甘える事しか出来無い、頬に熱いものが零れる、俺の涙じゃない、誰の涙?


「ご、ご賞味あれ」


?どうして、泣くのだろう?


食べられるって、痛いでしょ?

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