第160話・『麒麟の脳味噌は腐ってしまった』
血液を半分ぐらい失ったから急いで生成している、男を知らなかった初心でサーモンピンクの脳味噌はすっかり毒々しい色合いをさせて脈動している。
俺の血液によって変化したソレを満足気に見下ろして麒麟の体内を後にする、どれだけの時間が経過しただろうか、ミミズの姿はもういいや、人型に転じて後に伸びをする。
俺の血なのか麒麟の血なのかわからないな、全身に浴びたように纏わり付いているソレの匂いを嗅ぎながら苦笑する、ふふふ、処女くせぇ、脳味噌を侵して犯すのは楽しい、大きな生き物はコレが出来るから最高だ。
涙目になって巨体を横にしている麒麟、呼吸はしているよな?血走った目と口と鼻から溢れ出した血液でまさに死体って感じだ、ドクンドクン、生きてるな、神の眷属だが何だか知らんが一部にしてやったゾ、ふふふふ。
「寂しいから起きてよ」
『―――――――――――――ィ』
「最高の変化だろ?お前の脳味噌は柔らかくて処女臭くて最高だったぞ、今は使用済みのゴミ脳味噌だけどな、んふふふ、二度も言わすなよ、起きろ」
『は、い』
四つの眼球を持つ竜のような生き物が俺の命令を受けてゆっくりと立ち上がる、顔が血塗れで酷いモノだ、死臭がするがこうやって生きているので大丈夫だろう、足が震えていて産まれたての小鹿のようだ、まあ、ある意味産まれたてだけどな。
さっきまで俺を見下して蹂躙していた獣が俺の家族になるのは実に気持ちが良い、血を分け与えたんだから家族も同然だよな?やがて膝から崩れ落ちてその巨体をまた大地に沈める、命令は聞いたんだから別に良いけどな、ふふ、脳味噌犯されて感じちゃった?
お前の脳味噌は本当に最高だったぞ、サーモンピンクの美しいソレを思う存分に蹂躙してやった、ふふふ、興奮しちゃう、全身の毛穴が開いたような興奮、んふふふふふ、あはぁ、倒れているそいつの頭を無造作に蹴飛ばしてやる、麒麟が喘ぐ、えっちぃ獣。
「ほら、人型になれ」
『ぎょ、い』
白煙が舞い上がる、麒麟の巨体が陽炎のように揺らめきながら透明になってゆく、やがて煙が全て消えて一人の少女になる、俺は喉を鳴らしながらそいつを見る、美しい容姿をしているが鼻と口から夥しい量の血液が溢れている、このまま死んじゃうのか?ばぁか。
呼吸は荒く視点も定まっていない、まるで薬物中毒者のように唇を小刻みに震わせながら瞳だけは爛々と輝いている、しかしやはり視点は乱れている、ふひひ、可愛いなぁあ、脳味噌を侵されて犯されて俺の血を過剰に与えられてわけがわかんなくなってるだろう?
こいつは一部にするのにかなり力を必要とした、まさか使途や魔王軍の元幹部を圧倒的に上回る情報量……俺の血液を犠牲にする事で同化を速めたがどうしてだろうか?こいつの細胞や力は俺に良く馴染む、まるで身内のように、初めての感覚に少しだけ驚いた。
「お前、何か俺と相性が良いな、愛い奴だ」
「はっ、肝無巽光(かんむそうこう)の眷属であるが故に御子息である貴方様の力に汚染されやすいのかと」
「そこだ、どうして読み込めない、お前の記憶や知識が」
「……恐らく肝無巽光の気遣いかと、妹君から貴方様を護る為の予備策かと思われます」
「ふぅん、俺が神様の子供ってのはわかってたけど、神様と神様の間に産まれたとはな、これ以上問い詰めても答えられないんだろ?」
「は、い………貴方様ではまだ肝無巽光の封印を解ける程の―――」
「それはもう良いからさ、言えよ」
「なに、を、でありますか?」
「脳味噌を犯してくれてありがとうございますって、肝無巽光から奪ってくれてありがとうって、感謝の言葉を言え」
「あ」
見下す、満天の星空が広がる世界で俺は聖なる獣を蹂躙して我が物とした、だから感謝の気持ちを伝えて欲しい、ふふん、朦朧とした瞳が俺の命令に戸惑うように波打つ、泣いちゃうか?くくっ、体を震わせながらゆっくりと跪く、まだ抵抗があるか?
ねぇよな、脳味噌を俺の血液で満たしてやったんだ、お前が感じるのは絶対的な主であり絶対的な本体であり愛して尽くすべき俺だ、脳味噌は素直に俺の命令を聞き入れても体がちゃんと反応しないのか?毒がその内に全身に回る、それまでの楽しみとしてこの光景を記憶に留めて置こう。
ローズクォーツ、美容の秘薬とも呼ばれている女性の美しさや一途な愛を彷彿とさせる鉱石、紅水晶とも呼ばれていて美しい色合いで人々を楽しませる、そんな桃色の薔薇と同じ色合いの瞳からは血涙が溢れていて白目の部分は真っ赤に染まってしまっている、ふふん、脳味噌犯したせいだな。
額にも二つの瞳が存在している、四つの瞳か?外を散歩させる際には閉じさせないとな、邪魔だったら抉って無くしてやっても良い、ササの細胞がソレは自分だけのものだと抵抗する、ふふふふふ、可愛いぞササ、鮮やかで艶やかな赤みを帯びた黄色の髪の毛先が震えている様子が俺を満足させる。
山吹色(やまぶきいろ)のソレは前髪を水平に一直線に切り落としている、肩まで伸ばした髪も同様に一直線に切り落としていて清潔で整然とした印象を見るモノに与える、ふふふふふ、そりゃあ、神様にお仕えするんだから髪で遊べないよなぁ、綺麗だなぁ、んふふ。
見た目は7~8歳ぐらいだろうか?俺の一部の中ではかなり幼い容姿だ、腰ぐらいまでしか背丈も無いし妙にそそられるぜ、生真面目さがその表情からわかるぐらいだ、余裕の無い幼女とでも言えば良いのか?神の造形物に相応しく全てが整っていて黄金律によって構成されている、美しい。
頭には頭巾(ときん)と呼ばれる多角形の小さな帽子のような特殊な物を付けている、そして右手には錫杖(しゃくじょう)と呼ばれる金属製の杖を携えている、知識を読み込みながら感心する、やっぱりこいつは東を統べる神様の眷属なんだな、俺達の衣服とまったく違う。
灰色狐は何かとあちらと縁があるらしく知識が豊富で役立つな、袈裟と、篠懸(すずかけ)と呼ばれる麻の法衣を身に纏ったそいつがゆっくりと額を地面に接触させる、腰の帯にぶら下げたほら貝を加工した楽器が何だか気になる、ふふ。
「我を足りぬ脳を改造して頂いてありがとうございます、肝無巽光から……貴方様のもう一人の母親から奪い取って頂いて光栄です、っあ!?」
踏み付ける、ガキの頭は小さくて軽い、そのまま体重をゆっくりと、邪笑を浮かべる、股が疼く。
「俺の事は『ご主人様』って呼んで」
「ぁぁ、ご主人様っっ、お、おみ足が我の汚らわしい頭部で汚れてしまいますっっ」
「そうだな、お前の脳味噌はもうサーモンピンクじゃない尻軽の糞ビッチ脳味噌だからな、汚い、臭い、最悪」
「そ、そうです、そう、そう改造して頂きました」
「でも、そっちの方が俺の好みなの、んふふふふ、わかるよな?」
「はいぃいぃい、ご主人様が全て正しいです、全てがその通りでございます、つぁ」
血涙を流しながら鼻血を流しながら吐血しながら俺を全肯定する幼女を見下しながら俺は嗤った、笑った、実に愉快だった。
服の下で乳首が擦れる感触に喘ぎ声を漏らしながら軽い頭をさらに強く踏み付けた、見知らぬ母から初めて奪ったモノは俺を満足させるに値する道具だった。
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