閑話42・『新たな性癖を与える祟木ちゃん(強制)』
お化け退治を頼まれた、冒険者ギルドに…………お化け?なにその可愛い言い方、グロリアに一緒に来てくれないかと頼んだが鼻で笑われた。
蔑んだ瞳、家畜を見るような視線、延々と食べ続ける高級クッキー、今日のグロリアは最悪だったので部屋を退室する際に放屁してやった。
それだけで満ち足りた気分になる俺、グロリアの形の良い鼻から俺の放屁成分が吸収されるわけが、胸が熱いぜ、ケツも熱いぜ……しかし、一部の大半は寝ている。
無理矢理起こして付き合わせるのも何なので目覚めている一部だけ取り出した、取り出して反省した……これって駄目なパターンじゃねーかな?よくわかんねぇけどさ。
「キョウ、どうしたんだ?……おしっこかうんちかはっきりしろ」
「よりにもよって祟木しかいねぇとか……戦力にならねぇ!」
「馬鹿を言うな、いるだけで場が和むだろうが、容姿には自信があるぞ!そしてうんちなのか?」
「トイレに行きたくて唸っているわけじゃねぇぜ!これからどうしようか悩んでいるんだぜ!」
「両方一緒に出すのはどうだ?」
「黙ってくれ頼むから!こちとらお化け退治とか可愛い任務を命じられて混乱してるんだからな!」
お化け、お化けは無いだろう、受け付けのお姉ちゃん可愛かったな!報酬を受け取りに行って世間話の流れでクエストを頼まれた、お化け退治をな!
のほほんとして巨乳で笑顔が素敵だった、仕事ができるほんわか美人って感じ!俺の周りにはいないタイプ、おねだりされてつい頷いてしまった、別のおねだりなら良いのに!
古びた屋敷の中で大きく溜息、世界的な学者である祟木だが今はまったく必要無いぜ、一人の方が行動しやすい……体の中に戻るように命じてもにっこりと笑って全力で拒否しやがる。
「没落して病死した貴族の屋敷か……出るには出そうだが……魔物だろ、どうせ」
「ロマンが無いな、良いじゃないかお化け、響きも可愛いし『うらめしやー』とか言いそうだし、是非とも見てみたい」
太陽の光を連想させる金糸のような髪を遊ばせながら祟木は笑う、しかも金箔を使用した金糸よりも生命に溢れていて見る者を魅了する魔性の髪……黄金の髪が暗い闇の中で存在感を放っている。
肩まであるソレを側頭部の片側のみで結んでいる、サイドポニー、活発的な彼女に良く似合っている瞳も髪と同じ金色、見た目は愛らしいのに何処かライオンを連想させるような大らかで強い瞳、肌は研究職の宿命か透けるように白い。
「エルフ学者だろ?学者がお化けを信じて良いのか?」
「どうだろうか、キョウ、ここに良い凹みがある……うんちをするならさっさとしてしまえ」
「しねぇって!」
「おぉ、キョウはうんちをしないのか……凄いなソレは、体内に取り込んだ物質を全てエネルギーに変えるとは!」
「今はしねぇだけで普段はしてるぜ!」
「?今は日常の一部だろ?クエストを受ける事も冒険家にとっては日常………つまり『普段』だよ、ほら、だったらさっさと出すんだ」
「きょ、強要されて糞便したくねぇぜ」
「お腹を押してやろうか?多分、出やすくなるぞ」
デニムのホットパンツにノースリーブのトップス、性的にオープン過ぎる格好をしながら何としてでも俺に糞便させようと祟木は様々な提案をしてくる。
赤いフレームをした眼鏡の奥で知的好奇心で瞳が爛々と光っている、お腹を何度も両手で押して来るので無視をしながら先を急ぐ、嗚咽しながら足を進める。
祟木にとっては俺のうんちだろうがお化けだろうが知的好奇心を満たす為の材料に過ぎない、こいつはゲロは吐くわおしっこはするわうんちを強要するわ恐ろし過ぎる。
天才と何とかは紙一重だが完全に何とか側だろうな!古びた屋敷は無駄に広くて埃臭い、既に二週目だがお化けが出る気配は無くうんちが出る気配だけはある、お腹を押し過ぎ!
「ゼェゼェゼェ、ククッ、あと……あともう少し」
「バカなの!?うっ、お、押すんじゃねェ!服を下ろせ……腹が冷える」
研究職で体力の無い祟木、しかし一時間以上飽きもせずに俺のお腹を押している…歩き難い、腹がいてぇ、グロリアに付き合わされて朝方まで飲んでたしな!
ぐるるるるるる、腹が唸る、真っ白い腹は祟木が何度も刺激したせいで真っ赤に腫れている、そしてその奥で何かが唸りを上げている、こ、腰が砕けそうになる……祟木がカリスマ溢れる素敵な笑顔でVサイン。
「キョウ!もう少しで出るぞ!二週目で偶然にもあの凹みの前に辿り着いた!」
「――――――――――――――――――祟木、ブッコロス」
「そうか、でも殺す前にうんちを出しちゃわないと駄目だぞ!優先順位を間違えては駄目だからな」
タスケテ、俺の一部の中で一番怖いのって祟木じゃね?腰を砕いた老人のような足取りで前に進む、今日は退却だ、お化け云々じゃねぇ、祟木を外に出したのが失敗だった、やや過呼吸気味になりながら出口に急ぐ。
俺の肛門よ、しっかりしてくれ……しっかり閉じていてくれ、思えばグロリアの前で放屁をした時点でこの結末はわかっていたんじゃねぇか?あの時からお腹の調子悪かったし、うんちは出るな祟木は体に戻れ畜生!
『うらめしやーーーーーーーーーーー!』
あと数歩で入り口、曲がり角から顔を出した瞬間にそいつは現れた、白くて丸くて火の玉が周囲に浮かんでいる―――――誰がどう見てもお化けだと答える古典的なお化け、恐怖を感じたわけでも驚いたわけでも無い。
あまりに古典的なそのフォルムに気が抜けてしまう、瞬間……■■■■■■■■、文字にするにはあまりに不快な音、オワッタ、グロリアに何て説明をすれば良い?
『?!――――――――――』
スーっ、お化けが消える、何が起こったのか察したようだ……………祟木はきゃっほーと両手を上げて喜んでいる。
視界が歪む、あれ、泣いている俺?下の蛇口もおかしくなったけど上の蛇口もおかしくなったようだ、べちゃ、尻餅……最悪な感触に最悪な擬音。
「キョウ、二兎を追って二兎を得たぞ!いやぁ、最高だった――――キョウ?泣いているのか?」
「――――――――――――」
「お化けが怖かったのか、よしよし、抱いてやろうか」
母性溢れる表情で近付いて来た祟木を捕まえて取り敢えず絞め殺した。
泣きながら宿に帰るとグロリアがやけに優しかった、ズボンも洗ってくれた。
余計に泣いた。
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