作者様からの自薦 作品紹介(辛口注意)
作者様からの自薦 1 ~【結合世界の冥付牢獄(タルタロス)】~
この日、二人の元の依頼が舞い込んだ。
「隊長、ついに自分たちにも依頼が入るようになったんですね」
「その程度の事で浮かれている場合ではない。クライアントを待たせるな、すぐに出発するぞ」
こうして二人が訪れたのは、聞きなれない名称のとある施設。
「眩しいくらい真っ白な建物ですね」
「ああ、そうだな。この白い外壁を維持するのに、年間どれくらいの予算がかかるのだろうか」
依頼主の名称は機関S。
カクヨム界隈に点在するスコッパーを集め、何やら怪しげな依頼を押し付けていると噂される謎の機関である。その実態は明らかになっていない。
「鉱山や書店には何度も足を運んでいますけど、ここは初めてですね」
「噂には聞くがな、本当に存在するとは思わなかった。なんでも異能を操る人間が多いと聞く」
その場所で指定されたのは、とある孤児院だった。
「孤児院で何をしろと?」
隊長の質問に、機関Sの人間が無表情のままで答える。
「彼らは境界線を見失ってしまった。死と生の狭間が結合し、境界線を失った世界で混沌と戦っている。そうそう、年頃の女子が数名、その孤児院で生活しています。」
その言葉に、隊員は即答だった。
「行きましょう! ね、隊長!」
「貴様、動機が不純だぞ。まあいい、依頼は依頼だ、行こう」
だが道のりは簡単ではなかった。
出発した彼らが孤児院に辿り着くまで、幾度となく邪魔が入る。
その度に二人は死闘を潜り抜け、様々な世界へのスコップで培った異能を発揮し、それらを全て打ち払ったのだ。
「隊長、もうボロボロです」
「こ、この程度で……本番はこれからだ。孤児院で掘るぞ、いいな」
「何を掘るのでしょうか。もう自分にはスコップを握る力も残されいません」
「甘えるな。もがけ、信じる物が揺らぐ程の窮地であったとしても、我々は前に進む事しかできないのだ」
這う這うの体で孤児院に辿り着いた二人。
「隊長、自分、ここで力尽きたとしても、これだけは残して逝きたいのです」
「駄目だと思ったそこからが、男の、いや、漢の戦いだ。諦めるな」
だが、隊員は一枚の紙を隊長に押し付けるように、そのまま倒れて地面とお友達になってしまった。
「貴様の雄姿、確かに見届けた。後は任せろ」
隊長は手にした紙を開き、新たな感想を読み上げるのであった。
◆作者様から頂いた自薦作品を紹介します
タイトル:結合世界の冥付牢獄(タルタロス)
ジャンル:ファンタジー
作者:yu-ki様
話数:13話
文字数:40,237文字
評価:★8 (2016.11.19現在)
最新評価:2016年9月2日 17:32
URL:https://kakuyomu.jp/works/1177354054881440847
検索時:『結合世界』で検索しましょう。
キャッチコピー
お前を、狩る。それが俺の生存理由だ
頂いたお便り(近況ノートより転載)
初めまして!yu-kiと申します。
自薦させて頂きます。
完結以降なかなか読まれておりません、拙作「結合世界の冥付牢獄」をよろしくお願い致します!
御忙しいこととは思いますが、よろしくお願い致します。
感想★ (心苦しくはありますが、二点減点とさせて頂きました)
ローファンタジーと表現するのでしょうか、そんな雰囲気の凝った設定と世界観が特徴的で、自身の存在意義を賭けた白熱のバトル描写は秀逸でした。
主人公に生まれた心の迷いと、それを振り払ってくれる存在。平穏から、混乱、激闘、絶望、そしてどうにか辿り着いたハッピーエンド(?)。
伏線もしっかりと張り巡らされており、実に練られた作品だと思います。
ぜひご一読下さい。
※
以下、二点の減点理由を記載していきます。
さて、頂いたお便りを元に、僭越ながら素人な私から解説をさせて頂きます。
作者様が「なかなか読まれない」と仰っていますが、読まれないのには理由があるはずです。
食べ物や服、小物雑貨もそうですが、売れない場合は大抵その商品に理由が存在します。
この場合は商品力に問題があります。
また、同じ商品を扱っても、店舗によって売れたり売れなかったり。営業さんによっては売れたり売れなかったり。
この場合は、販売手法に問題があります。
同じように、物語が読まれない理由もあるはずです。
商品力(ストーリーそのもの)に問題があったり。
販売手法(文章や構成力)に問題があったり。
何故に読まれないのか。
何故に★8で止まってしまったのか。
勝手な印象ですが、ある程度の商品力(ストーリー)と販売手法(文章や構成)が揃えば、カクヨム界隈では★20を貰える世界だと考えています。
ましてやファンタジーという読み手の多いジャンルであれば、もっと多くの★が入ると考えて間違いないでしょう。
完結済みの拙作「ゴッド☆ちっぱい(歴史・時代ジャンル)」が、現段階で★61となっています。
連載中の拙作「ざんりゅう★しねん!(現代ドラマ)」が、現段階で★21となっています。
自慢でも宣伝でもありません。
何が言いたいかというと、条件さえ揃ってしまえば『私のようなド素人でもそれだけの★を頂戴する事が出来る』という事です。
即ち、紹介作品が★8で止まってしまった理由を考えてみれば、作者さまの「なかなか読まれない」という悩みの解決になるのではないか。そう思います。
当然ながらストーリー(商品力)には、読み手(買い手)の「好み」が存在するため、ここを批評するのは実に難しいと考えています。好みの世界をとやかく言っても仕方がありませんからね。
そこで今回は販売手法に特化して、素人目線で探ってみました。
★一点目:毎晩毎食フランス料理のフルコースでは疲れてしまう。
秀逸な描写を書き上げる語彙力と筆力をお持ちでるが故に、それを発揮しようと躍起になっていませんでしょうか。
どんなに高級で美味しいデミグラスソースでも、全ての食材や料理にそのソースをぶっかけたら、全部同じ味になって台無しです。
どんなに香しいワサビでも、ご飯やみそ汁やおかず全てにぶっかけたら、そりゃもう泣きながら食べる事になるでしょう。
どんなに最高級のフランス料理のフルコースでも、毎日毎食では飽きてしまいます。
納豆ご飯の日もあっていいんじゃないでしょうか。
素麺で胃を休める日があってもいいんじゃないでしょうか。
それが特に顕著なのが、序盤で主人公が朝食を取るシーンです。
どんな料理が並び、その料理がいかに美味しそうなのか。
それを見事な描写力で描き出しているように思えますが、この朝食、サラッと一文で「朝から手の込んだ料理」程度の表現でも問題がないように思えます。
何故ならその朝食は、ストーリー展開であったり、それを作った人の人格の表現であったり、そんな食卓を囲む人たちの様相であったり、それらに然したる影響を与えていないからです。
ただ無意味に筆力を披露され続けると、読む方はその秀逸な描写を常に想像していかねばならず、フル回転させた脳みそが疲れてしまう。
全体的にそんな状況が続いている感じがしました。
一言で表すなら「くどい」ってやつですかね。
ソースがですね、実に美味しいんですけど、くどい。ずっと食べ続けていると、食傷気味になって手放してしまうんです。
お持ちの語彙力、筆力をもっと効果的に使うために、緩急をつけた方がよろしいかと思います。
凄いピッチャー程、変化球と直球を織り交ぜた「緩急」が武器なのと同じではないでしょうか。
★二点目:『クローズからオープン』を、『オープンからクローズ』にしたらいいと思う。
営業研修の講師としてよく話す事ですが、全く予備知識の無いお客様に商品を勧める場合、話題の選び方は「オープン」から「クローズ」が理想的です。(予備知識があったり、何度か商談している場合はその限りではない場合が多くなります)
簡単に言うと、大きな話題から入り、徐々に狭めていく。
描写で言うなれば、広角に引いたところから、徐々に接近していく。
素人な表現で申し訳ありませんが、そんなような執筆のコツがどこかに書いてあったような気もします。
要するに、カメラをズームしていく感じです。
◆紙がある。その紙は机の上にある。その机は事務所にある。事務所は東京にある。東京は日本にある。
↓
◇日本の東京に事務所がある。事務所の机に紙がある。
狭いところから大きいところへイメージを膨らませるのは、少なくとも日本人は苦手なようです。
そこで、営業さんなんかは「オープン」から入って徐々に「クローズ」へ向かう。
◆内装の好みはありますか? 色は赤がお好みですね。何故車が欲しいのですか? 車が欲しいのですね。今日はなぜこのお店に?
↓
◇今日はなぜこのお店に? 車が欲しいのですね。何故車が欲しいのですか? 色は赤がお好みですね。内装の好みはありますか?
数秒で考えたざっくりな例文で申し訳ありませんが、前者は明らかにおかしいですよね?(笑)
紹介作品を読んでいて、描写に着いていけない事が多々ありました。
それは恐らく、クローズからオープンに向かう、徐々に引いていく描写が多かったからだと思います。場合によっては有効でしょうが、多すぎると着いていけなくなるのかもしれません。
以上、上記二点の減点をさせて頂き、★1の評価とさせて頂きました。
もっと真面で明確なアドバイスは執筆の道を志す方にお伺いするほうがいいと思います。
餅は餅屋と申しますが、私はあくまで素人でありますので、あしからず。
偉そうな事をつらつら書いて申し訳ありませんでした。
yu-ki様の今後一層のご活躍、応援させて頂きます!
素敵な作品をご紹介頂き、有難う御座いました!
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