第5話 ノートは簡潔に とはいうけれど

「これを読んでるとき、ワシはもとより地球が壊滅的状況にあるじゃろう。

きっとスッキリした世界なんじゃろうなぁ、ワシも見てみたい。

そんなことはさておきな、特にワシはなにも考えておらん。可愛い娘には旅をさせよ、そういうことじゃ。何かを集める旅でもないし、誰かを探す旅でもない。もちろんワシも死んどるじゃろう。いずれ分かる。答えはずっと君の中にある。

では。いい旅をおくっておくれ、可愛い娘よ。」


高揚した私を冷めさせる程度には非常に陳腐で簡単で今欲しい情報は何一つない。そんな内容だ。なにこれ。

「はぁあああ・・・・」

ふりだしに戻ろうにも今がまさにふりだしなのでなにも変わらない。

博士はなにをうらやましがってるんだか。しかも可愛い娘って2回も書くか。照れる。

でも私は自分の容姿を見たことがないな。本当にかわいいのかな?


そんなことを思っている場合では無い。これからどうしようか。


「んんんんんーーーーー」

・・・

「寝るか・・・・」 

眠くはないが人間疲れたときは寝るのが一番だ。眠くは無いけれど。

この体は眠らなくてもいい体なのだろうか。わからない。

分からないが寝ておいたほうが良い気がする。

しかし、天気や時間すら私が知ってるモノではなくなってしまったのだろうか、ずっと薄暗い空模様だ。

ここは本当に地球なのだろうか・・・・。私はなにも知らないなぁ。


「こればかりは考えても仕方ないな・・・」


そういって私は眠る体勢に入って、砂が目に入らないように仰向けになった。


私は、"私という人格"は誰に作られたものなのだろうか。博士なのかな。

なんで私は生まれたんだろう。

寝る前は少し不安になるようだ。

疑問を枕にして私はすぅすぅと眠りについた。

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