第4話 冷静は命綱
歩いても歩いても妙な色の砂ばかりだった。
流石に飽きてきてしまい、その場に座り込んでしまった。もはや汚れてもいい。
「なーんでこうなってしまったのぉぉおお・・・・」
大きな声混じりの息、俗に言うため息
私は戦争の間の記憶、情報をもっていない。
なんだったらそれ以前のこともよくは知らない。
つまりなにも知らない。かわいそうな少女だ。
「博士ぇ。以前のことはともかく、戦争期間中の情報くらい送ってくれてもよかったんじゃないですかね?」
「時間がないってそんなになかったんですかぁ・・・?」
今更なにを言っても無駄だとわかっていても言わないとやっていけない。
神も居ないような世界なら彼らに愚痴を言ってもバチは当たらないだろう。
もおおおお・・・・
牛のようなため息をかれこれ28回はしている。
「人造人間でも精神やんじゃうよーーーーーー!!」
叫んでも、風と砂の音でモザイクがかかり小さな音の粒子となってでしか響かないのであった。
落ち着こう、これはいけない。
少し冷静になろう。落ち着こう。焦ったら自暴自棄になるだけだ。それだけは避けよう。避けなければならない。
とりあえず今の状況を見極めよう。身の周りから見ていこう。
砂。見りゃ分かる。飛ばそう。
着ている服は砂で少し汚れているがまだまだ着れそうだ。これは・・・制服?だろうか。
持っているものは、起きたときにふと下を見ると墓の中にあった"カビたバッグ"とその中に入っていた"ノート" のみだ。
不親切すぎる。
ノートになにが書いてあるかはまだわからない。読む冷静さなんてなかったからね。
よく考えればこれはマニュアルなのではないか?この先なにをすればいいか書いてあるのでは!?
ワクワクと興奮で高揚した自分を抑えつつノートを開いて何か書いていないかをサッサッサと確かめ始めた。
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